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(写真:大上 祐史)
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 インフラツーリズムが盛況だ。橋やダム、港などのインフラを観光資源として活用する取り組みで、国土交通省が旗印を掲げる。管理者が主体的に実施する見学会だけでなく、最近では民間の旅行会社がツアーとして有料で催行し、全体を盛り上げている。

 今回、群馬県と新潟県の県境を貫く延長約11kmの関越トンネルで「インフラモニターツアー」があると聞き、参加してみた。東日本高速道路会社の湯沢管理事務所が開催するこのツアーは、関越トンネルの裏側を見学できる。普段は入ることができない避難坑を通って谷川の湧き水を試飲するほか、電気室や地下換気所などを見学し、最後に高さ180mの換気塔を階段で“登頂”する。

 参加者はJR越後湯沢駅もしくは直接、関越自動車道の土樽パーキングエリア(PA)に集合した。ツアーには3人のコンシェルジュ(案内人)が付く。東日本高速の職員も同行するので、関越トンネルについていつでも質問可能だ。モニターツアーのため、料金は特別価格の1480円。この日は25人が参加した。

(写真:大上 祐史)
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 出発前、土樽PAに隣接する関越トンネルの坑口を見てみた。坑口のデザインは工業デザイナーの柳宗理氏によるものだ。間近で見られることに驚く。

(写真:大上 祐史)
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 関越トンネルは関越自動車道のトンネルだ。延長は上り線が11.055km、下り線は10.926km。国内の道路トンネルとしては、延長18.2kmの首都高速中央環状線の山手トンネルに次いで第2位の長さ。山岳道路トンネルとしては日本最長を誇る。

 1977年に工事着手、85年10月に片側1車線の対面通行で開通、91年7月に上り線のトンネルが完成することで4車線になった。

 土樽PAに掲示されている「非常時の安全心得」から、関越トンネルの構造が分かる。

(写真:大上 祐史)
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 上り線と下り線それぞれの本線トンネルの間に、避難時に使う避難坑が並行して通っている。本線で火災が発生した際、本線トンネルの非常口から避難連絡坑へ移動して避難坑を通り、谷川岳PAもしくは土樽PAへ脱出する。これまで避難坑を使って避難するような事故は発生していない。

 上り線は750m間隔で、下り線は350m間隔で、本線と避難坑との間をつなぐ避難連絡坑が網の目のように配置されている。避難連絡坑は人道用が31カ所あるほか、車も通れるトンネルが3カ所ある。

(写真:大上 祐史)
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 長大な道路トンネルには、トンネル内の排気ガスをトンネルの外へ排出し、きれいな空気をトンネル内に取り込む換気所を設置する。関越トンネルでは群馬県側に谷川地下換気所、新潟県側に万太郎地下換気所を設けている。

(写真:大上 祐史)
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 地下の換気所と外の空気は、たて坑と呼ばれるたて穴を通じて行き来する。たて坑は谷川岳の谷地に構築した。谷川谷に掘られた谷川たて坑は長さ180m、万太郎谷に掘られた万太郎たて坑は長さ194mあり、それぞれ地上部に高さ約40mの換気塔が立っている。