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デザインの質を落とさず、安価な素材を探し求める

 背の高い照明柱には、国鉄時代に操車場などで使われていた堅牢で安価な木を採用した。他方、低めの照明柱には半分に切った枕木を使っている。照明には船舶などで使われる安価なものを選択。距離を表すサインは、九州大学の学生による手作りだ。

 階段の他、擁壁の笠石には、かつて大分の路面電車の軌道で使われていた石を再利用。市が保管しており、コストをかけずに済んだ。

背の高い照明柱(写真:イクマ サトシ)
背の高い照明柱(写真:イクマ サトシ)
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背の低い照明柱。新品の枕木を半分に切って使った。照明は船舶用を採用(写真:イクマ サトシ)
背の低い照明柱。新品の枕木を半分に切って使った。照明は船舶用を採用(写真:イクマ サトシ)
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西側エリアの芝生広場。階段の石は、かつて大分を走っていた路面電車の軌道の石を再利用した(写真:イクマ サトシ)
西側エリアの芝生広場。階段の石は、かつて大分を走っていた路面電車の軌道の石を再利用した(写真:イクマ サトシ)
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 デザインを追求する姿勢に共感して、資材を提供する協力者も現れた。東側エリアの施工を担当した東陽緑化(大分市)が、会社の資材置き場で眠っていた庭石を無償で提供してくれたのだ。

 実はプロジェクトチームから、「近隣の保育園から園児が広場に遊びに来た時、先生が里山の上で立って子どもたちを見守るのは辛そうだ」という声が上がっていた。樋口准教授は「ベンチがあるといいけど、既に使える予算はなかった」と振り返る。そこで渡りに船の申し出が、東陽緑化からあった。同社の庭石は、西側エリアの里山に石のベンチとして利用されている。

 チームでアイデアを出し合い、素材やデザインの質を落とさないように努めながら減額を積み重ね、何とか予算内で工事をやり繰りした。

「里山」に置いた石のベンチ。東側エリアの施工を担当した東陽緑化が提供した。場所ごとに変化する里山の高さは、樋口准教授が現場にたびたび足を運んで決めた(写真:イクマ サトシ)
「里山」に置いた石のベンチ。東側エリアの施工を担当した東陽緑化が提供した。場所ごとに変化する里山の高さは、樋口准教授が現場にたびたび足を運んで決めた(写真:イクマ サトシ)
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車いすが方向転換できるスペースを確保した「バリアフリーベンチ」。広場の4カ所に設置した(写真:イクマ サトシ)
車いすが方向転換できるスペースを確保した「バリアフリーベンチ」。広場の4カ所に設置した(写真:イクマ サトシ)
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西側エリアのバスケットコートは小・中・高校生らに大人気。広場の中間地点にあり、にぎわい作りに大きく貢献していた。線路デッキの右側はスロープ(写真:イクマ サトシ)
西側エリアのバスケットコートは小・中・高校生らに大人気。広場の中間地点にあり、にぎわい作りに大きく貢献していた。線路デッキの右側はスロープ(写真:イクマ サトシ)
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