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江戸川に架かる国道14号の市川橋から遠望した北小岩1丁目東部地区のスーパー堤防の現況。手前の江戸川グラウンドは含まず、後方の一般的な住宅街のように見える区域が該当する。地盤の強度不足は既に解消済み(写真:日経コンストラクション)
江戸川に架かる国道14号の市川橋から遠望した北小岩1丁目東部地区のスーパー堤防の現況。手前の江戸川グラウンドは含まず、後方の一般的な住宅街のように見える区域が該当する。地盤の強度不足は既に解消済み(写真:日経コンストラクション)
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 国土交通省関東地方整備局は、「スーパー堤防」と呼ばれる高規格堤防の整備で2017年に宅地としての地盤強度が不足するトラブルがあったことを受け、再発防止のため事業の進め方の見直しに着手した。学識者で構成する検討会を設置し、8月1日に初会合を開いた。

「宅地利用に供する高規格堤防の整備に関する検討会」の初会合の様子(写真:日経コンストラクション)
「宅地利用に供する高規格堤防の整備に関する検討会」の初会合の様子(写真:日経コンストラクション)
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 関東地整が設置したのは清水義彦・群馬大学大学院教授を座長とする「宅地利用に供する高規格堤防の整備に関する検討会」。堤防の上面に整備する宅地に必要な地盤強度を確実に確保する事業の進め方などを、今年度末までに取りまとめる予定だ。取りまとめの内容は、同様にスーパー堤防の整備を進めている近畿地方整備局と共有する。

 スーパー堤防は大規模な洪水に耐えられるよう勾配をなだらかにするため、幅を高さの30倍程度と一般的な堤防よりもはるかに広く取る。現行の整備計画は人口が集中する都市部に限定しているので、地元自治体の土地区画整理や市街地再開発と事業を一体化し、堤防の上面を宅地などに利用できるように盛り土を造成する。