首都高速道路会社は2019年9月29日、高速1号羽田線の造り替えのために16年6月から閉鎖していた大井ジャンクション(JCT)の復旧工事を終えて通行を再開した。再開前の9月24日には、完成した大井JCTとともに、急ピッチで施工が進む羽田線を報道陣に公開した。
1963年に開通した羽田線の東品川桟橋・鮫洲埋め立て部の約1.9kmの区間は、桟橋の高さが京浜運河の水面から数メートルしかない。塩分や干満の影響で桟橋の床版コンクリートが損傷したり、埋め立て部の土留めの鋼矢板がはらんだりして劣化が進んでいる。
そこで首都高は16年、1日当たり7万台もの交通量がある同区間の通行を確保しながら、既設の道路を撤去して高架橋などに造り替える工事に着手した。施工者は大林組・清水建設・三井住友建設・東亜建設工業・青木あすなろ建設・川田工業・東京鉄骨橋梁(現・日本ファブテック)・エム・エムブリッジ・宮地エンジニアリングJVだ。
工事ではまず、既設の上り線の隣に本設とほぼ同等の規格の高架橋で仮設の迂回路を設け、車の走行ルートを確保。次に、上り線を解体して同じ場所に道路を造り直す。更新後は路面の位置が高くなるので、上下線をまたいで上り線に接続していた大井JCTのランプ橋の一部も架け替える必要があった。
17年9月に迂回路が開通して暫定の上り線として運用を始めた後に、ランプ橋を撤去した。現在施工中の上り線は20年の東京五輪までに完成させ、それを暫定の下り線として運用しながら既設の下り線を造り替える。