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 丹下健三が設計を手掛け、1964年開催の東京五輪では水泳競技の会場となった国立代々木競技場第一体育館。2019年9月末までに耐震改修工事を終え、11月1日に営業を再開した。前編では、同体育館のダイナミックな外観を印象付ける屋根構造や下部構造の耐震補強についてリポートした。後編では、アリーナ天井の改修について紹介する。

前編から読む)

改修工事を終えた代々木第一体育館で2019年11月に開催された、日本ハンドボール選手権の様子。第一体育館は2020年東京五輪ではハンドボール、パラリンピックでは車いすラグビーとバドミントンの会場となる(写真:日経アーキテクチュア)
改修工事を終えた代々木第一体育館で2019年11月に開催された、日本ハンドボール選手権の様子。第一体育館は2020年東京五輪ではハンドボール、パラリンピックでは車いすラグビーとバドミントンの会場となる(写真:日経アーキテクチュア)
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 国立代々木競技場第一体育館の耐震改修工事では、下部構造と屋根構造のほか、非構造部材の耐震化も必須となった。

 「2011年3月の東日本大震災の発生時、第一体育館の大屋根が波打つように動いたのを目の当たりにした。ちょうど屋根塗装の全面塗り替え工事のために現場に入っていたときだ。天井も不規則に動いていただろう」。耐震改修工事で統括工事長・作業所長を務めた清水建設の毛利元康氏は、こう振り返る。

改修前のアリーナ(写真:日本スポーツ振興センター)
改修前のアリーナ(写真:日本スポーツ振興センター)
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改修後のアリーナを見上げる。天井の落下防止対策のほか、今回の改修工事で天井中央にあったスピーカーを撤去し、天井内に分散して納めた。照明はLED化。床は旧プール部分にコンクリート床を設けて床材を更新した(写真:日経アーキテクチュア)
改修後のアリーナを見上げる。天井の落下防止対策のほか、今回の改修工事で天井中央にあったスピーカーを撤去し、天井内に分散して納めた。照明はLED化。床は旧プール部分にコンクリート床を設けて床材を更新した(写真:日経アーキテクチュア)
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 第一体育館のアリーナ天井は重量約8kg/m2、仕上げ面積約1万2000m2、高さ約25~32m。特定天井に該当するため、全面的に落下防止対策を施した。改修前は、下地材から押縁材を吊(つ)る形式だったが、吊り鉄骨に押縁材を直接固定する形式に変えた。