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 東京地下鉄(東京メトロ)は2020年1月3日の始発列車から、銀座線渋谷駅新駅舎の供用を開始した。コンセプトは、新しい渋谷の街を体現する「フューチャーシティ」。設計はメトロ開発が担当し、内藤廣建築設計事務所と東急設計コンサルタントが設計に協力した。総工費は約290億円。東京五輪開催までにホームドアなどを設置し、五輪後は屋上に設ける「スカイデッキ」などの工事を進める。全体の完成は27年度ごろの予定だ。

2020年1月3日午前5時1分の始発列車から供用開始した東京メトロ銀座線渋谷駅の新駅舎ホーム(写真:日経アーキテクチュア)
2020年1月3日午前5時1分の始発列車から供用開始した東京メトロ銀座線渋谷駅の新駅舎ホーム(写真:日経アーキテクチュア)
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1月3日、新駅舎供用開始式典でテープカットが行われた。中央に立つのが、東京メトロの山村明義社長(写真:日経アーキテクチュア)
1月3日、新駅舎供用開始式典でテープカットが行われた。中央に立つのが、東京メトロの山村明義社長(写真:日経アーキテクチュア)
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明治通り沿いに新しく設けた改札口。すぐ隣に渋谷ヒカリエが立つ(写真:日経アーキテクチュア)
明治通り沿いに新しく設けた改札口。すぐ隣に渋谷ヒカリエが立つ(写真:日経アーキテクチュア)
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 銀座線渋谷駅は1938年12月に開業し、2018年度時点の乗降客数は1日約22万人に上る。新駅舎は旧駅舎から東側へ約130mの場所に移設した。旧駅舎は幅約3mの乗車ホームと降車ホームが線路を挟む「相対式」だったが、新駅舎は利便性などを考慮し、乗車と降車を区別しない「島式」を採用。幅約12mの広いホームとした。

3階改札外の通路から、旧駅舎のホーム(写真奥)を見る。旧駅舎は線路を挟んで乗車ホームと降車ホームがある「相対式」だった(写真:日経アーキテクチュア)
3階改札外の通路から、旧駅舎のホーム(写真奥)を見る。旧駅舎は線路を挟んで乗車ホームと降車ホームがある「相対式」だった(写真:日経アーキテクチュア)
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 階段の多かった旧駅舎に対して、新駅舎ではバリアフリー対策も講じている。JR渋谷駅や複合施設「渋谷スクランブルスクエア第1期(東棟)」(19年開業)に続く地上3階の歩行者通路と、ホームは段差なくつなげた。一方、明治通りに面した1階改札側には、エスカレーターを2基設置。東京五輪が始まるまでに、ホームドアや、男性女性用の仮設トイレ、エレベーター1基をさらに設ける予定だ。

3階ホーム西側に直結する改札(写真:日経アーキテクチュア)
3階ホーム西側に直結する改札(写真:日経アーキテクチュア)
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ホーム東側には、明治通り沿いの1階改札へと続くエスカレーターを設けた(写真:日経アーキテクチュア)
ホーム東側には、明治通り沿いの1階改札へと続くエスカレーターを設けた(写真:日経アーキテクチュア)
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 駅舎最大の特徴はM形の屋根架構だ。1月3日に行われた供用開始式典で東京メトロの山村明義社長は、「新駅舎の上屋はデザインが特徴的で長スパンを実現するM形屋根を採用した。どこからも視認でき、ランドマークとしての分かりやすさ、回遊性の向上につながると確信している」と語った。

 当初は門形ラーメン構造にする予定だったが、街に対して圧迫感を与えないように、頂部を丸めた「かまぼこ形」のアーチ案へと変更。さらに、屋根に設ける「スカイデッキ」を支持しやすくするため、頂部中心をくぼませてM形に至った。

 スカイデッキは、27年度開業を見込む「渋谷スクランブルスクエア第2期(中央・西棟)」と接続し、宮益坂方面と道玄坂方面を結ぶ重要な交通動線とする計画だ。

 駅舎の移設は、渋谷駅街区基盤整備が決まったことをきっかけに検討が始まり、09年に着工した。隣接する「渋谷ヒカリエ」(12年開業)や、渋谷スクランブルスクエアはいずれも新駅舎との接続を前提に設計されている。

 内藤廣建築設計事務所の内藤廣代表は、日経アーキテクチュアの取材に対してデザインの意図を次のように説明した。「駅の移設に関わり始めたのは約15年前。私は周辺の施設と新駅舎はあえて調和する必要はないと考えていた。渋谷駅周辺の狭いエリアで各建物の個性がせめぎ合う。その中で、駅舎は何かに似ないことが大事だった」。結果、M形アーチはデザイン性だけでなく、構造や施工においても合理的な形状となった。