東京・立川に新街区「GREEN SPRINGS(グリーンスプリングス)」が2020年4月に誕生した。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、施設の開業延期が相次いでいたが、6月になって主要なものが続々とオープンし始めた。
「ウェルビーイングタウン」を標榜するGREEN SPRINGSは名前の通り、緑と泉(水)がいっぱいだ。6月中旬に撮影した写真を中心に、立川の新名所になりそうなGREEN SPRINGSを見ていこう。
GREEN SPRINGSは約4万m2の敷地面積に、合計9棟の建物が立つ。多機能ホールやホテル、美術館、商業施設、飲食店、オフィス、保育園などが入居する。建築主は地元の立飛ホールディングス(東京都立川市)で、施設運営はグループの立飛ストラテジーラボが担う。
街区のマスターデザインは、建築がスタジオタクシミズ(東京都中央区)、ランドスケープをランドスケープ・プラス(東京都新宿区)が、それぞれマスターアーキテクトを務めている。
南北に約400mの長さがある敷地で、西側は「国営昭和記念公園」に隣接する。JR立川駅から最も近い南側の「サウスゲート」まで、徒歩8分ほどの距離にある。ここからは南から北に向かって順に、写真を見ていく。
いきなり見えてくるのは、地元の金融機関である多摩信用金庫(たましん、東京都立川市)の新しい本店ビルだ。GREEN SPRINGSの開業に合わせて、5月に本店をこの場所に移転した。地上9階建てで、美術館を併設している。設計は清水建設、施工は清水建設・中島建設・中村建設JVだ。
訪問者の多くはまず、サウスゲートのエスカレーターから地上2階に上がることになる。GREEN SPRINGSは2階に広場があり、施設の入り口も2階に面しているものが多い。
地上1階は大部分を駐車場が占める。郊外の街区らしく、約360台分を確保した。頭上を多摩モノレールが走る街区東側の「サンサンロード」沿いの1階には飲食店などのショップが並び、駐車場は敷地の中央に配置して外から見えにくくしている。
エスカレーターから空を見上げると、施設に木材が多く使われていることに気づく。2階に出ると緑と街路が奥まで続き、施設群が見えてくる。ここでも建物の木材が目に付く。
というのも、GREEN SPRINGSにある建物は、軒天井に合計で約5000m2分の「多摩産材」(多摩産材認証協議会が定める制度により認証された木材)を使っている。広場から建物を見上げると、地元の木材が目に入る設計になっている。