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 住友不動産は2020年7月1日、東京・西新宿の「新宿住友ビル」低層部に「三角広場」を開業した。築46年の超高層ビル足元の有効空地を、ガラスの大屋根と外壁で覆った無柱のアトリウム空間だ。同社によると、改修によって特定街区制度の有効空地を屋内化した初のプロジェクトとなる。

2020年7月1日に開業した「三角広場」。基本的には午前5時から午前0時まで自由に出入りできる(写真:吉田 誠)
2020年7月1日に開業した「三角広場」。基本的には午前5時から午前0時まで自由に出入りできる(写真:吉田 誠)
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 空地にあえて屋根を架けたのはなぜか。住友不動産ビル事業本部商品企画課の山田武仁チーフエンジニアは6月30日に開催された完成内覧会の会見で、こう明かした。「人が集い、にぎわいが生まれるという広場の趣旨には反しないのに、なぜ屋根があってはいけないのか。20年超にもわたって温めた基本構想のなかで、全天候型にこだわり続けてきた」

 三角広場の新設は、新宿住友ビルの大規模改修事業の目玉だ。併せて超高層ビルの耐震改修や設備更新なども進めてきた。事業としては、周辺街路とのバリアフリー接続や災害時の一時滞在機能などの公共貢献によって、16年に国家戦略特区の認定を受けている。同年、特定街区の都市計画を変更し、17年9月に着工。有効空地の屋内化が実現した。

 事業主体である住友不動産が基本構想・総合監修を担い、基本・実施設計を日建設計、実施設計・施工を大成建設が手掛けた。日建設計は、1974年の創建時も設計を担当している。

大規模改修の全体概要。地震などが起こった際は、帰宅困難者の一時滞在施設として約2850人の受け入れが可能だ。非常用発電機や、防災備蓄倉庫も整備した(資料:住友不動産)
大規模改修の全体概要。地震などが起こった際は、帰宅困難者の一時滞在施設として約2850人の受け入れが可能だ。非常用発電機や、防災備蓄倉庫も整備した(資料:住友不動産)
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 「三角ビル」の愛称で呼ばれる新宿住友ビルは、地上54階建てで高さは約210m。建築基準法旧38条の認定を受けて74年に竣工した。今回の大規模改修では、既存の超高層ビルを制振補強することで現行法規に適合させ、大臣認定を取得し直している。全体計画認定制度を活用しており、既存遡及工事やテナントフロアの内装リニューアル工事などは、今後も段階的に実施していく計画だ。

改修工事前の新宿住友ビルの全景。建築基準法旧38条の認定を受けて1974年に竣工した(写真:住友不動産)
改修工事前の新宿住友ビルの全景。建築基準法旧38条の認定を受けて1974年に竣工した(写真:住友不動産)
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三角広場が新設された敷地北側にはもともと、地上2階レベルに車寄せがあった(写真:住友不動産)
三角広場が新設された敷地北側にはもともと、地上2階レベルに車寄せがあった(写真:住友不動産)
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西新宿の超高層街特有の、2層構造の街路を結ぶ階段やエレベーターなども整備した(写真:日経クロステック)
西新宿の超高層街特有の、2層構造の街路を結ぶ階段やエレベーターなども整備した(写真:日経クロステック)
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