2020年を目指して建設するも、コロナ禍の下で開業などを見合わせていた大規模再開発による施設群が、緩やかに動き始めている。湾岸西部の「羽田イノベーションシティ」「羽田エアポートガーデン」「東京ポートシティ竹芝」「ウォーターズ竹芝」を20年7月現在の写真でリポートする。
東京湾岸西部では、まず大田区の「空港臨海部」で動きがある。陸・海・空の交通結節点に位置づけられる、区の東側のエリアだ。
空港臨海部には、羽田空港跡地(第1〜第3ゾーン)、東京レールゲート(マルチテナント型物流施設)、羽田空港アクセス線などの開発計画がある。このうち、空港跡地第1ゾーンの整備事業「羽田イノベーションシティ」の先行部分が7月に開業。第2ゾーンの整備事業「羽田エアポートガーデン」が開業待機に入っている。
大田区は、「日本の玄関口」となるエリアの役割を掲げ、東京オリンピック・パラリンピックの開催や羽田空港の再拡張・24時間化が、その発展に弾みをつけると期待していた。2019年8月に「空港臨海部グランドビジョン2030」(10年策定)の改定作業に着手し、20年1月31日にはエリアの将来像や基本方針を示した。
今後、工業専用地域や開発余地のある中央防波堤埋立地の存在、ものづくり関連産業の集積などを新たな魅力づくりに生かすという方向性自体に変わりはないとみられる。グランドビジョンの専門部会では、舟運活用や、鉄工島フェス(同区京浜島)など立地特性を生かしたアートイベントの強みなども議論されている。
なお、大田区、国土交通省、跡地開発の事業者である羽田みらい開発、羽田エアポート都市開発は20年2月、羽田空港国際線ターミナル(第3ターミナル)周辺の再開発エリアの呼称を「羽田空港跡地」から「HANEDA GLOBAL WINGS(ハネダ・グローバル・ウイングズ)」に改めたと発表している。
以下に、羽田イノベーションシティ、羽田エアポートガーデンの現在の様子、続けて湾岸西部のもう1つの新拠点、竹芝エリアの現状を報告する。