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 乗降客数「世界一」を誇る新宿駅における、駅舎、駅前広場、駅ビル一体の改造が本格化する。小田急電鉄と東京地下鉄(東京メトロ)は2020年9月9日、同2社が事業主体となる新宿駅西口地区開発計画の概要を明らかにした。東京都庁舎を超える、高さ約260mの超高層ビルが29年度に完成予定だ。

 政府が20年9月4日、国家戦略特別区域会議の下にある東京都都市再生分科会を開催。「都市再生特別地区(新宿駅西口地区)都市計画(素案)の概要」として、同計画の内容を首相官邸ホームページで公表した。これを踏まえて、提案者である2社が計画概要を発表した形になる。なお、東京都が公表した「(仮称)新宿駅西口地区開発事業」評価書案(閲覧期間は20年8月17日から同年9月15日まで)でも計画内容は開示されている。

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 計画地は、新宿駅の西口部分。新宿区と東京都が共同で手続きを進め、19年12月に都市計画決定した新宿駅直近地区土地区画整理事業と一体で進めるプロジェクトとなる。

新宿駅西口地区開発計画の建物完成イメージ(資料:小田急電鉄、東京メトロ)
新宿駅西口地区開発計画の建物完成イメージ(資料:小田急電鉄、東京メトロ)
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新宿駅西口駅前広場の現況を西側より見る。写真左手が、新宿駅西口地区開発計画で建て替えの対象となる小田急百貨店 新宿店(写真:日経クロステック)
新宿駅西口駅前広場の現況を西側より見る。写真左手が、新宿駅西口地区開発計画で建て替えの対象となる小田急百貨店 新宿店(写真:日経クロステック)
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 東京都と新宿区は17年6月に「新宿の新たなまちづくり~2040年代の新宿の拠点づくり~」を策定。その中で、新宿駅直近地区を先行して再編するエリアと位置づけ、18年3月には「新宿の拠点再整備方針~新宿グランドターミナルの一体的な再編~」、19年3月には「新宿グランドターミナル・デザインポリシー 2019」を策定した。これらが、駅舎、駅前広場、駅ビルなどを一体的に再編するための上位計画となる。

 小田急電鉄と東京メトロは、本計画を「新宿グランドターミナルの一体的な再編を象徴する大規模開発」とうたい、再編の加速化に寄与すると表明。整備方針として以下の3つの項目を掲げている。これらが、都市再生特区の区域認定に向けた「公共貢献」要素となる。

(1)新宿グランドターミナルの実現に向けた基盤整備:駅と街の連携を強化する重層的な歩行者ネットワークの整備/にぎわいと交流を生み出す滞留空間の整備/人中心の駅前広場整備への協力

(2)国際競争力強化に資する都市機能の導入:交流・連携・挑戦を生み出すビジネス創発機能の整備

(3)防災機能の強化と環境負荷低減:帰宅困難者支援や面的な多重エネルギーネットワークの構築による防災機能強化/環境負荷低減に向けた取り組み