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 東京・銀座を通る自動車道「KK線」の高架橋の路面を緑化して歩行者専用路に再整備する構想が具体化し始めた。学識者や東京都職員などで構成する「東京高速道路(KK線)の既存施設のあり方検討会」が、2020年9月24日に取りまとめた提言書の素案で示した。KK線は日本橋上空の首都高速道路の地下化に伴って自動車道としての役割を終えるため、新たな活用方法を模索していた。30~40年代の完成を目指す。既存インフラや地域の歴史などを生かしつつ「東京の価値を向上させる」と目標を掲げる。

検討会が提言の素案で示した高架上の歩行者空間のイメージ。高架下の商業施設を維持したまま路面を緑化する構想だ。2019年に東京都中央区が同様の構想を公表しているが、都は今回の素案との関連は無いとしている。鉄道や車道の高架上を遊歩道などに再整備した先行事例として、米国の「ハイライン」や、韓国の「ソウル路7017」などがある(資料:東京都)
検討会が提言の素案で示した高架上の歩行者空間のイメージ。高架下の商業施設を維持したまま路面を緑化する構想だ。2019年に東京都中央区が同様の構想を公表しているが、都は今回の素案との関連は無いとしている。鉄道や車道の高架上を遊歩道などに再整備した先行事例として、米国の「ハイライン」や、韓国の「ソウル路7017」などがある(資料:東京都)
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 KK線は全長約2kmの高架橋から成る自動車道で、1966年に全線が開通した。JR有楽町駅近くの西銀座ジャンクション(JCT)を基点に2区間を供用し、いずれも首都高都心環状線と接続している。運営を担う東京高速道路が高架下を民間事業者に貸し出し、その賃料で道路の維持費などを賄っているため無料で通行できる。入居するテナント数は約360に及ぶ。

 検討会はこれまで、歩行者ネットワークの創出効果や防災、コストなど6つの評価軸を基に、高架上の遊歩道化をKK線の一部または全部を撤去して広場などに造り替えるケースと比較してきた。その結果、撤去案は高架橋の解体や商業施設の移転補償に多額の費用を要するなど実現が難しいと判断。高架橋を保全しつつ歩行者用に再整備する案に一本化した。

 高架上には、緑地帯や水景施設を整備する考えを示した。緑地帯の荷重は1m2当たり約400kg以下に抑える必要があるので、地覆植物や中・低木を中心に配置する。大掛かりな防水対策が必要な水路の設置は難しいものの、小規模な噴水などは設けられるとみている。

 自動運転の乗り合いバスなど次世代型モビリティーの専用路の導入も検討。「地域のニーズがある場合などは導入の余地がある」とした。