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 建築家の坂茂氏が内装や家具をデザインしたコミュニティーカフェ「はぐくむ 湖畔」(東京・世田谷)が2020年10月20日にオープンした。坂氏が得意とする紙管を内装でふんだんに用いた、フレキシブルな空間だ。

 場所は、京王井の頭線東松原駅前の商店が並ぶ通り沿いに立つビルの1階だ。南北に細長いカフェの南側に大きな開口部を設け、通りすがりの歩行者も気軽に立ち寄れるようにした。床面積は約63m2。内装や家具の設計者は坂茂建築設計(東京・世田谷)、内装の施工者はダブルボックス(同)だ。

2020年10月20日にオープンしたコミュニティーカフェ「はぐくむ 湖畔」の外観。通りから室内の様子が見えやすい(写真:坂茂建築設計)
2020年10月20日にオープンしたコミュニティーカフェ「はぐくむ 湖畔」の外観。通りから室内の様子が見えやすい(写真:坂茂建築設計)
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 内装デザインには、紙管を様々な形で多用した。その1つが、外径36mm、長さ約360mmの紙管を木製ジョイントで格子状に組み、天井からつるしたものだ。格子の中に板を差し込んで食器棚として使える。また、照明をつり下げる他、空調機器を隠す役割を果たす、色とりどりの吸音パネルを付けた。

 坂氏は、「カフェは食事の提供や講演会、ギャラリーといった色々な使い方をする予定なので、完成したデザインではなく、様々な場面に展開できるフレキシブルなシステムをつくった」と語る。格子は多様な機能を持つ上に、紙管の着脱が容易なので、使い方や形を変更しやすい。

紙管を格子状に組み、天井からつるす。色とりどりの吸音パネルを格子の間に設けた。食器棚としても活用する(写真:日経アーキテクチュア)
紙管を格子状に組み、天井からつるす。色とりどりの吸音パネルを格子の間に設けた。食器棚としても活用する(写真:日経アーキテクチュア)
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 場面に応じて移動できる曲線状の間仕切り壁も紙管でつくった。外径100mm、長さ約2100mmの紙管を80本ほど横に並べてワイヤで一体化させたものだ。