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コミュニティーを包み込む「境内」の役割

 同ホテルの全体コンセプトは「イースト・ミーツ・ウエスト(東と西の交差点)」。日本文化の中にあるシンプルさや優雅さ、その洗練の度合いに関心があったというシュレーガー氏は特に今回、「仏教のカルチャーに影響された」と語っている。

 地上140mの31階に設けたロビー空間は、「仏寺」をインスピレーション源としたものだ。さまざまな目的を持って集まるコミュニティーを受け入れる、境内のような役割を与えた。複数の建造物が配置される境内の空間構成も意識している。さらに都心最大級の高層階型の「庭園」と位置付け、25種類500以上の植物、木、低木をフロアやテラスに配した。

31階、74席の高層階屋外テラスダイニング&バー「Garden Terrace」のオフィシャルイメージ。植物、木、低木を館内に配するために、140tに及ぶ肥沃土を埼玉県から運び込んだ(写真:マリオット・インターナショナル)
31階、74席の高層階屋外テラスダイニング&バー「Garden Terrace」のオフィシャルイメージ。植物、木、低木を館内に配するために、140tに及ぶ肥沃土を埼玉県から運び込んだ(写真:マリオット・インターナショナル)
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31階、個室を備えるスペシャリティーレストラン「The Jade Room」のオフィシャルイメージ。翡翠(ひすい)のグリーンから着想を得ている。開業は21年の予定(写真:マリオット・インターナショナル)
31階、個室を備えるスペシャリティーレストラン「The Jade Room」のオフィシャルイメージ。翡翠(ひすい)のグリーンから着想を得ている。開業は21年の予定(写真:マリオット・インターナショナル)
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 シュレーガー氏が何度も口にしたのは「多様性(ダイバーシティ)」や、個性を重視する「カスタマイズ」という言葉だ。パートナーであるマリオットのスケールの大きな展開力を借りる。しかし、デザインやサービスの共通化よりも、ゲストのパーソナリティーに合わせた独自性の発揮を志向する。

 「常に、その土地の持つスピリットや、その瞬間のエネルギーをつかまえて空間をつくってきた。ロケーションが変われば全てが変わるし、時代も関係する。虎ノ門では、ホテル内で過ごすだけでも東京の醍醐味であるダイナミックなエネルギーを感じられるような環境を目指した」とシュレーガー氏は語る。