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国際的ブランドのホテルを日本人建築家に託す

 会見に出席した森トラストの伊達美和子社長は、シュレーガー氏の名声を高めたニューヨークの「モーガンズ・ホテル」(1984年開業)を訪れたときのショックを語った。「こんなライフスタイルホテルがあり得るのかと感じた。イアンさんがマリオットとブランドを立ち上げたと知り、絶対に依頼したいと考えて16年にお会いしたのがスタートだった」

 コラボレーションを始めた頃は「イアンさんと隈さん、お互いに主張する面と遠慮する面があるのを感じた」と伊達社長は振り返る。3年間にわたる協働の中で、それが次第に融合されていく様子に立ち会った。最終的には「隈さんのテイストをイアンさんが温かく包み込み、エディションのスタイルに仕上げ切った。ロビーはいちばん難しい空間だったが、そこに見事に結実している。開発者としてうれしい結果になった」

 伊達社長は、ホテルデザインに日本の建築家を起用するきっかけになったエピソードも披露した。

 「あるとき安藤忠雄さんに、どうして日本の企業は日本の建築家を起用しないのか、中国などアジアをはじめ海外では活躍しているのに、自国でつくる機会が少ないのではないか、と指摘されたことがある。その話が頭に残っていたので今回ぜひ、日本の建築家にインターナショナルブランドのホテルを手掛けてもらいたいと考えた」(伊達社長)

スイートルームのオフィシャルイメージ。各室、高層階からのパノラミックな景観をセールスポイントとする(写真:マリオット・インターナショナル)
スイートルームのオフィシャルイメージ。各室、高層階からのパノラミックな景観をセールスポイントとする(写真:マリオット・インターナショナル)
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客室の水回り部分のオフィシャルイメージ(写真:マリオット・インターナショナル)
客室の水回り部分のオフィシャルイメージ(写真:マリオット・インターナショナル)
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客室のオフィシャルイメージ。宿泊料金はフレキシブルで1泊1室約6万円以上を想定している(開業時リリース時点)。ベッド上に無造作に置かれたような羽毛寝具をはじめインテリア要素は、その置き方までシュレーガー氏がスタイリングしたもので、チェックインの度に写真を見ながら再現する手続きになっている(写真:マリオット・インターナショナル)
客室のオフィシャルイメージ。宿泊料金はフレキシブルで1泊1室約6万円以上を想定している(開業時リリース時点)。ベッド上に無造作に置かれたような羽毛寝具をはじめインテリア要素は、その置き方までシュレーガー氏がスタイリングしたもので、チェックインの度に写真を見ながら再現する手続きになっている(写真:マリオット・インターナショナル)
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困難を苦服して必ず「ノーマル」に戻る

 今回、仕上げの段階で新型コロナウイルス感染症拡大の問題が起こったため、クリエイティブディレクターとして関わるシュレーガー氏はオンラインで現場を検分。細部にまでこだわる空間のスタイリングをリモートによって指揮した。

 シュレーガー氏は会見で、コロナ禍に関する質問にも応じた。

 同氏自身は「大げさなパラダイムシフトが起こるとは考えていない」という。「確かにビジネスは大きな影響を受けている。しかし、歴史を振り返ると人間は何度も大きな困難に出合い、それを克服すると元に戻っていった。自分の長い経験から、ニューノーマルが訪れるわけではなく、必ずノーマルに戻っていくのが人間だと信じている」と語った。

■変更履歴
公開当初「1号店は米国ニューヨークに15年に開業」としていましたが、正しくは「1号店は英国ロンドンに13年に開業」でした。おわびして訂正します。本文は修正済みです。[2020/11/12 13:20]