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 複数の路線が複雑に絡み合う東京の地下鉄駅。構内の景色の単調さもあって、迷子になってしまう人も珍しくない。

 東京メトロは2020年10月、日本を代表する商業地にある銀座駅をリニューアルした。「銀座らしい上品で落ち着きのある空間に仕上げる」「エレベーターなどバリアフリー設備を整える」ことと並んでリニューアルの狙いとなったのが、「乗り換えを分かりやすくする」ことだった。

(写真:大上 祐史)
(写真:大上 祐史)
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 リニューアル後の銀座駅は、光を使った演出がそこかしこに見られるのが特徴だ。デザインコンセプトは「憧れの街」。黒を基調とした改札口の周辺には、各路線を象徴するラインカラーで鮮やかにライトアップしたガラス張りの柱が並び、ホテルのエントランスのような装いとなっている。事業費は約220億円。設計は日建設計が、施工は大成建設がそれぞれ担当した。

 銀座駅は、東洋初の地下鉄として1927年に浅草-上野駅間で開通した銀座線の延伸に伴って1934年に開業した。その後、1957年に丸ノ内線(開通当時は西銀座駅)が、1964年に日比谷線がそれぞれ開通。3路線の乗換駅として今の駅構造となった。2019年度の1日平均乗降人員は約25万7000人に上り、東京メトロの管理駅では4番目に多い。

 銀座駅のリニューアルは、日比谷線が開通した1964年以来、56年ぶりとなる。ホームドアの設置や新型車両の導入とともに、東京メトロが順次進めてきた銀座線の全駅を改装するリニューアルプロジェクトの一環だ。

 銀座線の「下町エリア」に当たる浅草-神田駅間の工事は既に完了。今回は日本橋駅と京橋駅、青山一丁目駅、外苑前駅とともに、丸ノ内線と日比谷線を含む銀座駅のリニューアルが完成した。

銀座線リニューアルの概要(資料:東京メトロ)
銀座線リニューアルの概要(資料:東京メトロ)
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 東京メトロは2015年、「銀座のまちの地下1階」をテーマに銀座駅の魅力向上のアイデアを募るデザインコンペを実施。2017年11月に着手したリニューアル工事では、入賞作品のアイデアを数多く反映した。

 新しくなった銀座駅を写真とともに詳しく見ていこう。