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 東京工業大学は東京・港で進める「田町キャンパス土地活用事業」の事業予定者(交渉権者)に、NTT都市開発(NTTUD)が代表企業を務める「NTTUD・鹿島・JR東日本・東急不動産グループ」を選定した。同グループは東工大と2021年2月26日に事業協定書を締結。3月1日に同グループが発表した。国立大学法人が土地を貸し付ける再開発事業としては、全国最大規模になる。

 再開発事業で同グループは、JR田町駅東口に隣接する、線路沿いの約2万3000m2のキャンパス跡地を対象として、2棟の複合施設を建設する計画だ。巨大な官民複合施設、大学の教育研究施設、産官学連携のインキュベーション施設、大学発ベンチャーなどのビジネス拠点などを配置。田町エリアの新しいシンボルになることを目指す。

NTT都市開発(NTTUD)が代表企業を務める「NTTUD・鹿島・JR東日本・東急不動産グループ」がオンラインで会見した(資料:日経クロステック)
NTT都市開発(NTTUD)が代表企業を務める「NTTUD・鹿島・JR東日本・東急不動産グループ」がオンラインで会見した(資料:日経クロステック)
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 東工大は、同大付属高校の跡地で26年から75年間の定期借地権を設定し、事業予定者に貸し付ける。2101年までの借地期間中、事業者から年間45億円の貸付料収入を得る予定だ。これで大学の財務基盤を強化する。代物弁済で財政負担なく、大学の施設(約147億円相当)を取得できる。複合施設の供用開始は2030年6月ごろを予定。グランドオープンは32年4月ごろと、10年以上先になる。

事業予定者に貸し付ける2カ所の敷地(資料:NTT都市開発、鹿島、JR東日本、東急不動産)
事業予定者に貸し付ける2カ所の敷地(資料:NTT都市開発、鹿島、JR東日本、東急不動産)
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国内最大級のインキュベーション施設を整備する(資料:NTT都市開発、鹿島、JR東日本、東急不動産)
国内最大級のインキュベーション施設を整備する(資料:NTT都市開発、鹿島、JR東日本、東急不動産)
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 NTTUD・鹿島・JR東日本・東急不動産の4社グループの強みは、田町駅の周辺エリアで再開発プロジェクトを複数進めていることだ。実績が豊富で、施設間の連携や人材交流を促しやすい。

東工大の益一哉学長(中央)およびNTT都市開発、鹿島、JR東日本、東急不動産の各社幹部がそろった(写真:NTT都市開発、鹿島、JR東日本、東急不動産)
東工大の益一哉学長(中央)およびNTT都市開発、鹿島、JR東日本、東急不動産の各社幹部がそろった(写真:NTT都市開発、鹿島、JR東日本、東急不動産)
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4社が関わる他の再開発プロジェクトと連携(資料:NTT都市開発、鹿島、JR東日本、東急不動産)
4社が関わる他の再開発プロジェクトと連携(資料:NTT都市開発、鹿島、JR東日本、東急不動産)
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 16年の法改正で、国立大学法人も第三者への土地貸付が可能になった。東工大は18年3月に、指定国立大学法人に指定されている。その際、教育研究基盤発展の自立化および財務基盤の強化を経営目標に掲げた。田町キャンパスは、JR田町駅に隣接していて立地が良い。そのため同大学では、PPP(官民連携事業)方式による再開発の可能性を探ってきた。

 東工大は田町キャンパスの土地活用に際し、PwCアドバイザリー(東京・千代田)による、事業の計画作成や導入可能性調査、事業予定者の公募と選定、事業協定書の締結支援といった包括的なアドバイザリーサービスを21年2月末まで利用した。