全1600文字

 東京海上ホールディングスと東京海上日動火災保険は2021年9月30日、東京都千代田区丸の内1丁目に立つ現在の東京海上日動ビル本館および新館を一体で建て替える「新・本店ビル計画」のコンセプトをまとめた。新しい建物は丸の内の街並みと調和し、日本の玄関口である東京駅や緑豊かな皇居外苑を結ぶシンボリックな場所にふさわしいデザインを追求する。

現在の東京海上日動ビル本館(右の茶色の建物)と新館(写真:東京海上日動火災保険)
現在の東京海上日動ビル本館(右の茶色の建物)と新館(写真:東京海上日動火災保険)
[画像のクリックで拡大表示]

 建物の設計は、建築家のレンゾ・ピアノ氏が主宰するRenzo Piano Building Workshopおよび三菱地所設計が手掛ける。ピアノ氏は1998年にプリツカー賞を受賞したイタリアの建築家だ。日本では関西国際空港旅客ターミナルビルや銀座メゾンエルメスなどを設計している。三菱地所設計は丸の内エリアで豊富な設計の実績がある。

 Renzo Piano Building Workshopと三菱地所設計は、国産木材を多く利用した建物を検討しているという。柱や床などの構造材を含め、これまで例を見ない規模で国産木材を利用。世界最大級の木造ハイブリッド構造による超高層オフィスビルを建設する。

 敷地面積は約1万147m2、延べ面積は約12万5000m2。地下3階・地上19階建てで、高さは約100mになる計画だ。22年10月に現在のビルの解体に着工し、28年度の竣工を予定している。

 現在の東京海上日動ビル本館は前川國男建築設計事務所が設計した建物で、1974年に竣工した。歴史的価値を後世に伝えるため、有識者の協力を得ながら記録調査と継承方法の検討を同時に進める。そのうえで、災害対応力や環境性能の強化、新しい働き方への対応を念頭に置いて、新館と一体で建て替える。

東京海上日動ビル本館は前川國男の設計(写真:東京海上日動火災保険)
東京海上日動ビル本館は前川國男の設計(写真:東京海上日動火災保険)
[画像のクリックで拡大表示]

 本館と新館を同時に建て替えることで、柔軟性のある広いフロア面積を確保。多様な働き方を選択できるオフィス空間を実現する。各フロアを内階段でつなぎ、組織の垣根を越えたコミュニケーションを活発にする。

 他にも、吹き抜けからの自然採光や屋内緑化、医療施設の設置も検討。従業員が健康を維持し、高いパフォーマンスを発揮できる環境を整える。障害の有無にかかわらず、多様な人たちが利用しやすいユニバーサルデザインを取り入れる。

 建て替えに先立ち、東京海上ホールディングスと東京海上日動火災保険、東京海上日動あんしん生命保険の3社は本店を移転する。場所は千代田区大手町2丁目に完成したばかりの常盤橋タワーだ。21年12月から順次移転を開始し、22年6月までに完了する予定になっている。