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 小田急電鉄と東京地下鉄(東京メトロ)が事業主体となる都内の「新宿駅西口地区開発計画」に、東急不動産が参画する見通しになった。2022年2月9日、小田急電鉄と東急不動産が基本合意したと発表した。今後は各社で詳細を協議していく。

 計画している建物の一部について、小田急電鉄と東急不動産との間で敷地の一部を小田急電鉄が東急不動産に譲渡。建物の共有持ち分を取得する「等価交換方式」を前提に、両社共同で計画を推進していく予定だ。総事業費のうち、小田急電鉄と東急不動産の投資予定額は2000億円程度になる見込みである。

西新宿エリアから見た建物の外観イメージ。2022年2月9日時点の設計に基づく。20年9月に発表されたイメージから建物のディテールが変更になっている(資料:小田急電鉄、東急不動産)
西新宿エリアから見た建物の外観イメージ。2022年2月9日時点の設計に基づく。20年9月に発表されたイメージから建物のディテールが変更になっている(資料:小田急電鉄、東急不動産)
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 この開発計画では、3つの整備方針を掲げている。「新宿グランドターミナルの実現に向けた基盤整備」「国際競争力強化に資する都市機能の導入」「防災機能の強化と環境負荷低減」である。22年10月の工事着手に向け、両社で事業を推進する。

 小田急グループは東京・新宿に拠点を持つ。アフターコロナの経営ビジョン「UPDATE 小田急~地域価値創造型企業にむけて~」を掲げ、既成概念にとらわれず挑戦を続けて、地域に新しい価値を創造していくことを目指している。

 一方、東急不動産は東急不動産ホールディングスの中核企業として、主に東京・渋谷を拠点にしている。今回、新宿駅西口直近の大規模開発に参画することで、渋谷などで培った開発ノウハウを新宿に生かす。

 両社は共創により、新宿駅西口地区開発計画の価値を最大化できると考えているという。

 計画地は東京都新宿区新宿3丁目および西新宿1丁目各地内で、敷地面積は約1万5720m2、延べ面積は約28万1700m2。商業やオフィス、駅施設などを整備する。

再開発の計画地。すぐ南側にある京王百貨店新宿店も都市再生プロジェクトに加わる見通し(資料:小田急電鉄、東急不動産)
再開発の計画地。すぐ南側にある京王百貨店新宿店も都市再生プロジェクトに加わる見通し(資料:小田急電鉄、東急不動産)
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 再開発の目玉は、1967年に竣工した小田急百貨店新宿店本館の建て替えだ。新しい建物は、地下5階・地上48階建て。高さは約260mと、新宿の新しいランドマークになる。2022年9月に百貨店の営業を終え、同10月に着工。29年度の竣工を予定している。