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 JR東日本は2022年4月21日、品川開発プロジェクト(第Ⅰ期)として進めてきた街づくりを「高輪ゲートウェイシティ(仮称)」と名付け、詳細を明らかにした。JR高輪ゲートウェイ駅前から北に向かって1kmを超える細長い敷地、約7万2000m2に合計5棟のビルを建設する。

「高輪ゲートウェイシティ(仮称)」の全体イメージ(資料:JR東日本)
「高輪ゲートウェイシティ(仮称)」の全体イメージ(資料:JR東日本)
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 計画地を4つのエリアに分け、北から順に1街区の「住宅棟」、2街区の「文化創造棟」、3街区の「複合棟Ⅱ」、4街区の「複合棟Ⅰ(North・South)」とする。文化創造棟は低層、それ以外は超高層の建物になる。

計画地を4つのエリアに分け、合計5棟のビルを建てる(資料:JR東日本)
計画地を4つのエリアに分け、合計5棟のビルを建てる(資料:JR東日本)
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 高輪ゲートウェイ駅の前に立つ複合棟Ⅰは、25年3月に開業を予定している。同時に、高輪ゲートウェイ駅も全面開業する。複合棟Ⅱと文化創造棟、住宅棟は、25年度中の開業を目指す。全体開業後には、年間560億円の営業収益を見込む。

高輪ゲートウェイ駅の目の前に立つ「複合棟Ⅰ」。駅前広場を挟んで、NorthとSouthの2棟で構成(資料:JR東日本)
高輪ゲートウェイ駅の目の前に立つ「複合棟Ⅰ」。駅前広場を挟んで、NorthとSouthの2棟で構成(資料:JR東日本)
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高輪ゲートウェイ駅に直結する、約6500m<sup>2</sup>の駅前広場。1日に約27万人の往来を想定し、様々なデータを収集して活用する(資料:JR東日本)
高輪ゲートウェイ駅に直結する、約6500m2の駅前広場。1日に約27万人の往来を想定し、様々なデータを収集して活用する(資料:JR東日本)
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 今回の発表で初めて、文化創造棟の内外観が明かされた。公園と一体になった、らせん状の低層な建物になる。緑と木で形づくるスパイラルのファサードが特徴で、外装デザインアーキテクトは隈研吾建築都市設計事務所が担当する。

 文化創造棟は、展示場やホール、飲食施設などを備える。アクセスは敷地のすぐ近くで再開発が進む、京浜急行電鉄と都営地下鉄の泉岳寺駅の方が高輪ゲートウェイ駅よりも近い。

2街区の「文化創造棟」イメージ(資料:JR東日本)
2街区の「文化創造棟」イメージ(資料:JR東日本)
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緑と木で形づくるスパイラルの外装が特徴(資料:JR東日本)
緑と木で形づくるスパイラルの外装が特徴(資料:JR東日本)
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 施設には、約1500m2の展示室や約1200席を設けるライブホール、約300m2のオルタナティブスペース、約200m2の畳空間、足湯と水盤のある屋上庭園などを配置する。多様なスペースで、様々なプログラムを展開する。

文化創造棟のエントランス(資料:JR東日本)
文化創造棟のエントランス(資料:JR東日本)
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ホワイエ(資料:JR東日本)
ホワイエ(資料:JR東日本)
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約1500m<sup>2</sup>ある展示室(資料:JR東日本)
約1500m2ある展示室(資料:JR東日本)
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約1200席あるライブホール(資料:JR東日本)
約1200席あるライブホール(資料:JR東日本)
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約200m<sup>2</sup>ある畳エリア(資料:JR東日本)
約200m2ある畳エリア(資料:JR東日本)
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 施設の運営準備組織として、一般財団法人JR東日本文化創造財団を22年4月に設立した。準備室長には、日本科学未来館でキュレーターを務めた内田まほろ氏が就任した。内田氏は大阪・関西万博のシグネチャーパビリオンの1つに、プランニングディレクターとして参加している。

 文化創造棟は地下3階・地上6階建てで、高さは44.98m。延べ面積は2万8952.55m2。設計者は品川開発プロジェクト(第Ⅰ期)設計共同企業体で、JR東日本建築設計とJR東日本コンサルタンツ、日本設計、日建設計で構成する。

 もう1つ、今回新たに発表されたのが、高輪ゲートウェイシティの玄関口に当たる複合棟Ⅰに入居する施設の詳細だ。複合棟Ⅰ(South)の地上22~30階に、米マリオット・インターナショナルの最高級ホテル「JW マリオット・ホテル東京」ができる。JW マリオットブランドは首都圏初進出となる。客室数は約200室を予定。ホテルの内装デザインは、カナダのヤブ・プッシェルバーグ(Yabu Pushelberg)が担当する。

一番左に立つ複合棟Ⅰ(South)の地上22~30階に、米マリオット・インターナショナルの最高級ホテル「JW マリオット・ホテル東京」が入居(資料:JR東日本)
一番左に立つ複合棟Ⅰ(South)の地上22~30階に、米マリオット・インターナショナルの最高級ホテル「JW マリオット・ホテル東京」が入居(資料:JR東日本)
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ホテルの内装デザインは、カナダのヤブ・プッシェルバーグが担当(資料:JR東日本)
ホテルの内装デザインは、カナダのヤブ・プッシェルバーグが担当(資料:JR東日本)
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 複合棟Ⅰは延べ面積が、46万177.37m2。Northは地下3階・地上29階建てで、高さが161.43m。Southは地下3階・地上30階建てで、高さが158.68m。駅と周辺の広場、歩行者デッキも、複合棟Ⅰの開業と同時に供用を開始する。設計は同じく品川開発プロジェクト(第Ⅰ期)設計共同企業体で、施工は大林組が手掛ける。

 高輪ゲートウェイ駅に隣接する国際交流拠点として、世界的に知名度が高いホテルの他、MICE(コンベンション、カンファレンス、ビジネス支援施設)やオフィス、店舗などを設ける。国際会議の誘致や施設運営では、コングレ(東京・中央)と組む。

 複合棟Ⅰの地下2階から地上1階が、大規模なコンベンションエリアになる。地上6階がカンファレンスエリアだ。コンベンションホールは約1700m2あり、最大2000人を収容できる。カンファレンスには約300~500m2で約260~500人を収容できる中会議室を4室、約100m2で約60人収容の小会議室を10室設ける。

 なお、複合棟Ⅰの外装デザインとエントランス内装デザインは、米ピカード・チルトン(Pickard Chilton)が担当する。チルトンは隈事務所と共に、高輪ゲートウェイシティの全体デザイン構想にも参画している。JR東日本は高輪ゲートウェイシティの開発に、海外のデザイン事務所を積極的に起用している。

高輪ゲートウェイ駅から計画地の北側を見た景色。21年12月末時点(写真:北山 宏一)
高輪ゲートウェイ駅から計画地の北側を見た景色。21年12月末時点(写真:北山 宏一)
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