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 野村不動産とJR東日本は2022年5月23日に記者会見を開き、東京都港区の浜松町駅に近接する敷地で共同推進している国家戦略特別区域計画の特定事業「芝浦プロジェクト(旧称・芝浦1丁目プロジェクト)」の詳細を発表した。「浜松町ビルディング」(旧・東芝ビルディング)を建て替え、ツインタワー(S棟とN棟)を建設する。S棟は25年2月の竣工を予定し、N棟は30年度の竣工を目指す。

 会見であいさつした野村不動産ホールディングスの沓掛英二社長兼グループCEOは、「野村不動産グループ各社の本社も25年にS棟に移転する」と宣言した。現在本社がある東京・西新宿の「新宿野村ビル」を飛び出し、湾岸の芝浦に本拠地を移す。

「芝浦プロジェクト」記者会見の主な登壇者。野村不動産ホールディングスの沓掛英二社長兼グループCEO(中央)、JR東日本の喜勢陽一副社長(左)、野村不動産の松尾大作社長(右)(写真:日経クロステック)
「芝浦プロジェクト」記者会見の主な登壇者。野村不動産ホールディングスの沓掛英二社長兼グループCEO(中央)、JR東日本の喜勢陽一副社長(左)、野村不動産の松尾大作社長(右)(写真:日経クロステック)
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東京湾側から見た「芝浦プロジェクト」の外観イメージ(資料:野村不動産、JR東日本)
東京湾側から見た「芝浦プロジェクト」の外観イメージ(資料:野村不動産、JR東日本)
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 区域面積は約4万7000m2、延べ面積は約55万m2と、都内最大級の再開発事業だ。オフィスやホテル、商業施設、住宅を含む2棟の複合ビルで構成し、開発期間は約10年に及ぶ巨大プロジェクトになる。ツインタワーの高さは共に約235mで、S棟は地下3階・地上43階建て、N棟は地下3階・地上45階建てになる。

芝浦プロジェクトの計画地(資料:野村不動産、JR東日本)
芝浦プロジェクトの計画地(資料:野村不動産、JR東日本)
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S棟とN棟の配置図(資料:野村不動産、JR東日本)
S棟とN棟の配置図(資料:野村不動産、JR東日本)
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ツインタワーの断面図(資料:野村不動産、JR東日本)
ツインタワーの断面図(資料:野村不動産、JR東日本)
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 ツインタワーの中層階は、オフィスフロアが占める。オフィスの基準階(19階)面積は約1556坪と都内最大級の広さで、かつJRや東京モノレールの浜松町駅に近く利便性も高い。

 設計は槇総合計画事務所(東京・渋谷)、清水建設、アラップ、日建設計が手掛ける。施工は、S棟が清水建設、N棟は未定。

 槇事務所のデザインアドバイザーである槇文彦氏は、「芝浦運河と日の出桟橋を介して東京湾を一望できる敷地に建てる2棟の超高層ビルは、東京の他のどこにもない壮大な景観を享受できる。この場所が浜松町駅から海や田町方面に至る交通ネットワークの拠点となり、時代と共に緑豊かな環境に包まれ、人と自然が共存し、ダイナミックに成長していく場になるように心掛けた」とコメントしている。

芝浦運河に面するテラスや船着き場のイメージ(資料:野村不動産、JR東日本)
芝浦運河に面するテラスや船着き場のイメージ(資料:野村不動産、JR東日本)
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浜松町ビルディングから見下ろしたS棟の建設現場。S棟は2021年10月に着工しており、写真は22年5月下旬の様子(写真:日経クロステック)
浜松町ビルディングから見下ろしたS棟の建設現場。S棟は2021年10月に着工しており、写真は22年5月下旬の様子(写真:日経クロステック)
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 今回の会見で初めて明らかになったのは、S棟の上層階に入居するホテルだ。欧州最大手のホテルグループである仏アコーのラグジュアリーブランド「フェアモント」が日本に初進出する。

 ホテル名は「フェアモント東京」。客室数は219室を計画。25年度中の開業を予定している。インテリアデザインには、世界中のホテルを手掛けるオーストラリアのBAR Studioを起用する。

東京湾を望むホテル「フェアモント東京」のテラスイメージ(資料:野村不動産、JR東日本)
東京湾を望むホテル「フェアモント東京」のテラスイメージ(資料:野村不動産、JR東日本)
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野村不動産が制作した、30年度ごろの浜松町駅周辺の街模型。浜松町ビルディングには現在、ツインタワーへの入居を検討する企業向けに野村不動産がプレゼンテーションするための専用ルームが用意されている。模型はそのフロアに置かれている(写真:日経クロステック)
野村不動産が制作した、30年度ごろの浜松町駅周辺の街模型。浜松町ビルディングには現在、ツインタワーへの入居を検討する企業向けに野村不動産がプレゼンテーションするための専用ルームが用意されている。模型はそのフロアに置かれている(写真:日経クロステック)
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 なお、地震対策として建物全体を制振構造としつつ、オフィスフロアとホテルフロアの切り替え階になる34階の上階に免震層を設ける。海に近いため、津波や高潮などのリスクにも備え、重要な電気設備は地上2階以上に設置する。