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完成は約20年後

 首都高の日本橋区間を地下化する事業の範囲は、神田橋ジャンクション(JCT)―江戸橋JCT間の約1.8kmで、このうち1.1kmを地下に移す。総事業費は約3200億円だ。

 地下を通るトンネルは、最深部で20mほど。近くを東京メトロ銀座線や半蔵門線、都営浅草線が走っており、「非常に狭隘(きょうあい)な区間を通るルートになっている」(首都高更新・建設局日本橋プロジェクト調整課の江水淳課長)。

江戸橋出口の桁降下の様子。供用中の高速道路のすぐ真横で工事するため、降下架台はコンパクトに仕上げている。2022年6月24日に撮影(動画:首都高速道路会社)
日本橋区間地下化事業の概要(資料:首都高速道路会社)
日本橋区間地下化事業の概要(資料:首都高速道路会社)
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 22年4月には常磐橋地区トンネル工事の入札を公示。23年度末には出入り口の撤去工事を完了して、地下トンネルの本体工事に着手する予定だ。地下トンネルは35年の完成を目指し、その後、約5年かけて日本橋川上空の高速道路を撤去する。全てが終わるのは2040年の見通しだ。実現すれば、国指定重要文化財の日本橋を覆う構造物がなくなる。

地下化事業着手前の中央通り(写真:首都高速道路会社)
地下化事業着手前の中央通り(写真:首都高速道路会社)
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地下化事業完了後の中央通りのフォトモンタージュ。再開発の計画は現時点の情報で作成したイメージ(資料:首都高速道路会社)
地下化事業完了後の中央通りのフォトモンタージュ。再開発の計画は現時点の情報で作成したイメージ(資料:首都高速道路会社)
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 このエリアでは、再開発が活発になっている。首都高更新・建設局の草壁郁郎・日本橋プロジェクト推進部長は、日本橋区間の地下化事業が終われば「首都高の再生、リニューアル、さらに周辺環境の改善、街づくりと地域の魅力向上にもつながる」と期待を込める。

 首都高の日本橋区間は、都心部の渋滞を解消する目的で、1964年の東京五輪を前に建設された。開通したのは1963年12月。すでに約60年が経過している。しかも上下線合計で1日当たり約10万台の車が通るという過酷な使用状況だ。

 そのため、鋼桁の接続部を中心に、構造物全体に疲労亀裂が多数発生している。コンクリート床版にも多くのひび割れが発生しており、更新が必要とされていた。