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 東急不動産と鹿島は2022年7月29日、登録有形文化財である旧九段会館を一部保存しながら建て替えを進めていた「九段会館テラス」(東京・千代田)が竣工したと発表した。21年12月に旧九段会館部分(保存棟)の保存・復元工事が完了し、オフィスなどが入居する新築棟の建設を進めていた。施設の外装には全国初の環境配慮型調光ガラスを採用するなど、最新鋭の設備を導入した。施設の開業は22年秋を予定している。

東急不動産と鹿島は2022年7月29日、九段会館テラスが竣工したと発表した(写真:鹿島)
東急不動産と鹿島は2022年7月29日、九段会館テラスが竣工したと発表した(写真:鹿島)
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皇居外苑北の丸公園側から見た九段会館テラス(写真:鹿島の写真に日経クロステックが加筆)
皇居外苑北の丸公園側から見た九段会館テラス(写真:鹿島の写真に日経クロステックが加筆)
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 保存棟は、免震レトロフィット工法を採用するなどして、特徴的な城郭風の外観を保存。劣化したコンクリート部分の補修や外壁タイルの落下防止などを施して、宴会場やカンファレンスセンター、シェアオフィスなどとして使用。新築の高層棟は主にオフィスと店舗の入居を予定している。

 九段会館テラスは地下3階・地上17階建て。鉄骨造(CFT造)、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造で、延べ面積は約6万8036m2。設計・施工監理は鹿島・梓設計設計・工事監理業務共同企業体(JV)、施工は鹿島が手掛けた。

 東急不動産都市事業ユニット開発企画本部の岩﨑柊次氏は、「プロジェクトのメインは旧九段会館の保存と復元だが、最新鋭の設備などを導入していることも特徴だ。歴史的建築物と新築棟をうまく融合することができた」と自信を見せる。

 施設北側の正面玄関前には憩いと交流の場「九段ひろば」を、施設西側には一般歩行者用のデッキ通路「お濠沿いテラス」を整備した。22年秋の開業に先立って、9月中旬から九段ひろばとお濠沿いテラスの利用を開始する予定だ。

憩いと交流の場「九段ひろば」。2021年10月、都市緑化機構が主催する「緑の環境プラン大賞」のシンボル・ガーデン部門で緑化大賞を受賞した(写真:九段会館テラスPR事務局)
憩いと交流の場「九段ひろば」。2021年10月、都市緑化機構が主催する「緑の環境プラン大賞」のシンボル・ガーデン部門で緑化大賞を受賞した(写真:九段会館テラスPR事務局)
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歩行者デッキ「お濠沿いテラス」。九段ひろばから施設西側のお濠沿いに向けて、南北に通じる歩行者デッキを整備した(写真:九段会館テラスPR事務局)
歩行者デッキ「お濠沿いテラス」。九段ひろばから施設西側のお濠沿いに向けて、南北に通じる歩行者デッキを整備した(写真:九段会館テラスPR事務局)
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千代田区と共に整備した遊歩道「九段こみち」。施設南側に隣接する千代田区高齢者サポートセンター「かがやきプラザ」との間に整備した遊歩道で、お濠沿いテラスにつながる(写真:九段会館テラスPR事務局)
千代田区と共に整備した遊歩道「九段こみち」。施設南側に隣接する千代田区高齢者サポートセンター「かがやきプラザ」との間に整備した遊歩道で、お濠沿いテラスにつながる(写真:九段会館テラスPR事務局)
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 旧九段会館は11年の東日本大震災時にホール客席前方の天井が大規模に崩落するなどの被害を受けて、休館に追い込まれた。その後、財務省関東財務局が17年9月に実施した旧九段会館テラスの土地の貸付先を決める一般競争入札で東急不動産が落札。同社と鹿島が出資して設立した合同会社ノーヴェグランデが事業者として、建て替え工事を進めてきた経緯がある。