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 日本郵政不動産(東京・千代田)は2022年12月9日、東京都台東区蔵前1丁目で開発している新街区名を「蔵前JPテラス」にすると発表した。最大の特徴は、約1万4400m2の敷地にオフィス棟と住宅棟、そして物流棟の3つが建つことだ。

東京都台東区蔵前1丁目で開発している新街区「蔵前JPテラス」。オフィス棟と住宅棟、そして物流棟で構成する(出所:日本郵政不動産)
東京都台東区蔵前1丁目で開発している新街区「蔵前JPテラス」。オフィス棟と住宅棟、そして物流棟で構成する(出所:日本郵政不動産)
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 都営浅草線の蔵前駅まで徒歩4~5分、浅草にも近い隅田川のリバーサイドという東京下町の好立地に、延べ面積が約10万m2の新街区が誕生する。23年3月に竣工する予定で、同年4~5月に入居施設が順次オープンしていく。

東京の下町に巨大な新街区が誕生(出所:日本郵政不動産)
東京の下町に巨大な新街区が誕生(出所:日本郵政不動産)
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 都内の人気観光地である浅草エリアに新築のオフィスビルとマンションが完成するだけでなく、地上9階建てで延べ面積が約2万9000m2ある本格的な物流施設ができるのは驚きだ。物流施設は日本郵便の利用が決まっており、「他の企業に施設の一部を貸し出すかは未定」(日本郵政不動産)という。いずれにしても、都心物流のラストワンマイルを制するのに重要な拠点になりそうだ。

蔵前JPテラスは隅田川に近い浅草エリアにできる(出所:日本郵政不動産)
蔵前JPテラスは隅田川に近い浅草エリアにできる(出所:日本郵政不動産)
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 ここ数年、首都圏には次々と物流施設が建設されている。しかし、肝心の働き手が集まらないという課題を、各社が抱えている。

 そのため、物流施設と住宅を同じエリアにつくる都市開発型の物流拠点整備が注目を集めだした。そんな複合開発が都心部で動き出す。物流棟の屋上には約3000m2の大きな庭園を設け、新街区の住民やここで働く人に居心地のいい環境を提供する。

物流施設の屋上に庭園を設ける(出所:日本郵政不動産)
物流施設の屋上に庭園を設ける(出所:日本郵政不動産)
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 蔵前JPテラスの事業者は、日本郵政不動産だ。設計は日本郵政、施工は大成建設が手掛けている。実施設計は佐藤総合計画が協力している。コスト管理は、日建設計コンストラクション・マネジメントが担当する。

 建物の構造は、オフィス棟が鉄骨造、一部鉄骨鉄筋コンクリート造、免震構造。住宅棟が鉄筋コンクリート造、制振構造。物流棟が柱鉄筋コンクリート造、梁(はり)鉄骨造、基本柱スパンが10.8mの耐震構造とする。隅田川に近いため、水害対策として電気機械室は2階以上に設置する。