2023年に都内の有名な建物がまた1つその役割を終え、巨大な再開発が始まる。東京・中野のJR中野駅前に立つ、大小2つの白い三角積み木を組み合わせたような形をした複合施設「中野サンプラザ」が同年7月2日に閉館する。数多くのミュージシャンやアイドルがホールのステージに立った中野サンプラザは老朽化に伴い、解体される。
1973年に開業し、ちょうど50年。2023年1月9日には中野区の成人式(中野区二十歳のつどい)が行われる。区のシンボルとして駅前に立つ中野サンプラザは地域のさまざまな行事に利用されてきたが、23年夏で見納めだ。
22年12月下旬には、再開発事業「中野4丁目新北口駅前地区拠点施設整備」を進める野村不動産と東急不動産、住友商事、ヒューリック、JR東日本の主要5社が最新の完成イメージなどを公開し、中野区に説明を実施した。28年度の竣工を予定している。
敷地面積は約2万3460m2、延べ面積は約29万8000m2。地下3階・地上60階建てで、高さが約250mの高層棟と約60mの低層棟から成る。前者には主にオフィスと約1100戸の住宅、店舗が入り、後者にはホールやホテルができる。高層棟の最上部には展望施設を設ける。
中野サンプラザの中核だったホールは、約2200人を収容する施設だ。それが新しいホールは、約3倍の7000人収容に拡大される。再開発の計画当初は「1万人アリーナ」構想も持ち上がっていたが、規模が見直されて7000人に落ち着いた。
区の中心である中野駅周辺は、100年に一度とも言われる街の大改造が29~30年ごろまで続く。中野4丁目新北口駅前地区拠点施設整備は、そのうちの1つだ。
他にもプロジェクトが目白押し。10年後には中野エリアが大きく様変わりし、駅周辺の景色や人の流れは激変しているだろう。