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 リコーは2023年2月1日、東京・銀座4丁目の交差点に面して立つ円筒形の商業ビル「三愛ドリームセンター」を解体し、建て替えると発表した。1963年に開業した三愛ドリームセンターは築60年を超え、老朽化が進んでいた。人通りが絶えない銀座の安全性を確保するため、2023年3月から約2年かけて解体工事を実施。新築のビルに建て替え、27年の竣工を目指す。

2023年3月に解体が始まる銀座の商業ビル「三愛ドリームセンター」(写真:リコー)
2023年3月に解体が始まる銀座の商業ビル「三愛ドリームセンター」(写真:リコー)
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 円筒形で総ガラス張りの三愛ドリームセンターは、地下3階・地上9階建て、鉄骨鉄筋コンクリート造のビルだ。銀座4丁目交差点の西角に立ち、向かいにある「SEIKO HOUSE GINZA」(セイコーハウス銀座、旧和光本館)や銀座三越と共に、銀座のランドマークとして親しまれてきた。設計したのは、日建設計の林昌二(1928~2011年)である。

 建物を所有するリコーは安心・安全を担保するため、三愛ドリームセンターの建て替えを決断した。新ビルの設計者には、小堀哲夫建築設計事務所(東京・文京)を起用することも明らかにした。新しいビルは三愛ドリームセンターの記憶を継承するようなデザインになる見通しだという。施工は竹中工務店が手掛ける。

 リコーは、解体前に建物の形状を同社の技術でデジタルアーカイブとして保存することも発表している。建設現場でも使われている360度カメラ「RICOH THETA(リコーシータ)」や3D画像処理技術を用いる。

 なお、小堀哲夫建築設計事務所を主宰する小堀哲夫氏は法政大学教授を務める他、25年に開幕する大阪・関西万博でシグネチャーパビリオン「いのちを高める」(いのちの遊び場 クラゲ館)の建築デザインを担当している人物だ。