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施工者のノウハウ注入 カギは入札・契約制度
施工者のノウハウ注入 カギは入札・契約制度

 自治体の技術系職員として、発注から完成検査まで工事全般に関わっている。当自治体の入札では、積算に使用した図書や見積もり価格、損料なども公表するようにしている。

 ところが最近、公告期間中に金抜き設計書について異議が寄せられることが多くなった。入札中止にまで至るケースも少なくなく、発注件数全体の約3割にも達している。

 異議は、損料や仮設の考え方に関するものが大半。例えば、「機械器具損料の日当たり単価や燃料消費量がおかしい」、「仮設の設置・撤去に要する機械の運転時間や損料などについての考え方が誤っている」、「適用した歩掛かり条件が間違っている」といった内容だ。

 こうした事案は、歩掛かりや損料の基準がない新工法の推進工事や基礎工事などで多く発生している。

 例えば、撤去が難しい既設管に充填材を詰めて処理しようとする際、新しい充填材や充填工法の施工歩掛かりがない。比較的新しい推進工法では、国土交通省や農林水産省、環境省が出している標準歩掛かりとメーカー希望額とが大きく乖離(かいり)しているなどの実態もある。結果として、どうしても近似値を使って積算せざるを得ないため、実態にそぐわない予定価格となってしまうのだ。

 積算が原因で入札を中止した場合は、設計をやり直して一般競争入札を実施したり、一般競争入札参加希望者を対象に指名競争入札を行ったりする。こうした手間によって、工期を2カ月程度、ロスしてしまうこともある。

 積算ミスを防止し、適正な予定価格を算出するために、新しい工法はできるだけ早くコンソーシアムなどを作って積算基準を出してもらえるとありがたい。また、メーカーには新製品の発売に併せて、施工時に必要となる機材やそれらの単価、労務・機械・運転損料といった情報も提供してほしい。

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