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 「大手建設会社が過去最高益を記録」、「建設業の給与が他産業を抑えてトップに」、「建設業の営業利益率が製造業を上回る」――。ここ1、2年、建設業の経営を巡っては景気のいい声ばかりが聞こえてきます。日経コンストラクションが毎年掲載している建設会社の決算ランキングの特集でも、「好調な業績を生かし、次にどんな手を打つべきか」といったテーマで記事を構成してきました。

 しかし、地方の建設会社の経営者の方と話をすると、「でも、うちの県はそんなに景気が良くないんだよね」といった声もしばしば耳にします。一時期に比べればましなのでしょうが、「景気の良さ」の感じ方は、地域や会社の規模によって異なるのかもしれません。

 そこで、日経コンストラクション9月10日号では、例年の決算ランキング特集とは少し趣向を変え、そのあたりを分析してみることにしました。

日経コンストラクション9月10日号特集「建設会社決算ランキング2018・好況、地方に届かず」から
日経コンストラクション9月10日号特集「建設会社決算ランキング2018・好況、地方に届かず」から
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 答えは、特集のタイトルにある通り「好況、地方に届かず」。全国展開している大手や準大手に比べ、地方を本拠地とする建設会社には、好景気の恩恵があまり届いていないことが改めて明らかになりました。

 一例として、売上高営業利益率を見てみましょう。2018年3月期、大林組、大成建設、清水建設、鹿島の大手4社の営業利益率は平均して10.3%。これは自動車最大手のトヨタ自動車に並ぶ数字で、自動車大手7社の平均の実に1.8倍。準大手建設会社(売上高2000億円以上1兆円未満)10社の平均も7.1%と、自動車大手を上回る水準です。一方で、地方大手(同100億円以上500億円未満)25社の平均は5.6%で、対前期比でも0.5ポイントのマイナスとなりました。

 土木受注高を見ても、大手、準大手などが前期から横ばいまたは増加している会社が多かったのに対し、地方大手で前期より受注高が増えた会社は全体の3割弱。規模が小さい会社では社員の採用が思うように進まず、一定の手持ち工事を抱えていて新規の受注を控えざるを得ないといった状況がうかがえます。本誌の調査では、「働き方改革」に関する取り組みも各社に聞いていますが、「ノー残業デーの実施」、「育児休暇の導入・促進」といった項目で会社規模による格差が目立ちました。これも、人繰りに余裕があるか否かが表れていると考えられます。

 なお、今号では主に、会社の規模別に決算の状況を分析しました。工種ごとの分析は、次号(9月24日号)に掲載する予定です。