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 求人倍率が高水準で推移している建設業界。工事や業務の運営に不可欠な人材の確保、特に若手の採用に苦慮している会社は少なくありません。大手の建設会社や建設コンサルタント会社の幹部のなかにも、「新卒採用で内定を出しても断られる」と打ち明ける方は珍しくありません。

 そこで、建設産業界における採用動向を探るべく、日経コンストラクション2020年3月9日号の特集で、「新卒よ逃げないで」と題する記事を用意しました。近年の建設業界や建設コンサルタント業界における採用活動の動向、企業の様々な取り組みを取材しています。

日経コンストラクション2020年3月9日号特集「新卒よ逃げないで」
日経コンストラクション2020年3月9日号特集「新卒よ逃げないで」
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 特集の冒頭で紹介したのは、学生時代に学んだことを生かそうとして建設に関連した企業に就職したものの、ごく短い期間で退職を決めた若手の言い分です。「建設会社は、発注者からの命令を下請けの会社や作業員に伝えるだけ」「やりたいと思っていた防災関係の仕事に力を入れているとアピールしていたが、それは二の次だった」――。

 他にいくつかの退職理由が挙げられましたが、自分が思っていたような仕事や職場環境ではなかったことが、退職に至る大きな要因となっているようです。

 もちろん、これは辞めた若手の言い分であって、ベテラン世代や会社に残った同僚などから見れば、「甘えている」「考えが浅い」と感じる人もいるでしょう。しかし、若い人材を求めているのは建設産業だけではありません。若手の言葉に耳を傾けないままでは、さらなる人材難に陥っていくだけです。

 19年末に、学生の就活イベントで建設産業界の現状をお話しさせていただく機会が何度かありました。講演では、建設産業の魅力をたくさん伝えたいと思い、建設の仕事を通して得られる満足感などの話を数多く取り入れたつもりです。

 インフラの構築という仕事を通じて社会に貢献できることはもちろん、建設分野において新技術の導入が進み、それらを用いた業務で若手が活躍していること、資格取得などを通じたキャリア形成が可能なことなどを、事例も交えながら紹介しました。