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 ゴールデンウイークが終わった矢先、台風1号の発生というニュースが飛び込んできました。今年も梅雨や台風といった雨の多い季節が迫っています。2018年は西日本豪雨、19年は東日本台風(台風19号)によって、日本の広域で甚大な被害が発生したことは記憶に新しいでしょう。

 相次ぐ水害を受け、国の治水政策が大きく転換しようとしています。日経コンストラクション2020年5月25日号の特集「治水新時代」では、これからの治水政策やインフラについて、多様な視点を基に解説しました。

日経コンストラクション2020年5月25日号の特集「治水新時代」(資料:日経コンストラクション)
日経コンストラクション2020年5月25日号の特集「治水新時代」(資料:日経コンストラクション)
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 例えば、東日本台風がもたらした堤防決壊によって、甚大な浸水被害を引き起こした那珂川の取り組み。計画高水位以下で洪水を安全に流すための河道掘削や築堤といった従来の対策から一歩踏み出し、堤防からの越水も前提とした「流域治水」の考え方を導入していきます。

 ハードとしては、洪水時に川の水をあふれさせる開口部を持つ霞堤や、ハイブリッド型と呼ぶ下水道などによる内水氾濫にも対応する新しい遊水地の整備を検討しています。国だけでなく、茨城県や水戸市など流域の自治体と連携して取り組んでいく計画です。

 特集では他にも、新しい治水を実現する構造物の建設事業も紹介しました。大阪府を流れる寝屋川の流域で進む地下河川のプロジェクトはその1つです。全国で初めて、大深度地下に放水路を建設します。複数のトンネルを組み合わせて構築するこのインフラ。全体をつなげた地下河川が完成するまでは、大雨の際にトンネル内に水をためる調節池として利用します。