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 新型コロナウイルスの問題は、間もなく建設生産プロセスに大きな変化をもたらします。そんな未来を決定的にしたニュースが、2020年4月に報じられました。国土交通省が23年度までに、小規模な工事を除いてBIM/CIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング/コンストラクション・インフォメーション・モデリング)を導入する意向を示したというニュースです。

 国交省が25年度までに全ての公共工事で原則としてBIM/CIMを活用する方針を示したのが19年。裾野の広い建設産業において、たった5年ほどでBIM/CIMを浸透させていくのは、相当大変だろうと感じていました。新型コロナウイルスの感染拡大の影響によって、非接触・リモート型の働き方や生産性向上の推進が迫られ、大きな目標をさらに2年も前倒しするというのですから、インパクトは絶大です。

 BIM/CIMは建設生産プロセスを革新するために不可欠なデジタル化の“1丁目1番地”です。計画、設計、施工、維持管理の生産プロセスの各段階で用いる図面をはじめ、インフラに関する様々な情報が収められているBIM/CIMは、在宅勤務や建機の遠隔操作・自動運転などの実現には欠かせないツールとなります。

 建設産業で加速しそうなデジタルシフトの動き踏まえて準備したのが、2020年6月22日号の特集「新型コロナを吹き飛ばす『建設DX』」です。特集では、国交省がBIM/CIM化を前倒しする話題とともに、設計や施工の現場でデジタル技術を駆使して生産性を高める建設DX(デジタルトランスフォーメーション)の最前線を追いました。

日経コンストラクション2020年6月22日号の特集「新型コロナを吹き飛ばす『建設DX』」(資料:日経コンストラクション)
日経コンストラクション2020年6月22日号の特集「新型コロナを吹き飛ばす『建設DX』」(資料:日経コンストラクション)
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 例えば、特集では自動設計の最新状況を紹介しています。一部の建設コンサルタント会社では、設計の合理化に向けた自動化への取り組みを以前から進めていました。これが、いよいよ現実に使えるレベルのツールに育ちつつあります。パシフィックコンサルタンツでは、寸法などのパラメーターを変更すれば、構造物の3次元モデルを簡単に変更してくれるような仕組みを、橋や砂防ダムの設計で試行し始めました。

 ここでの自動化とは、単に寸法と形状が変わるだけの設計技術ではありません。あらかじめ構造物に求められる構造条件などを満たすようにモデルを改められるのです。つまり、寸法変更がもたらす構造の再検討といった時間を大幅に削減できる可能性を秘めています。