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 リニア中央新幹線の工事で、静岡工区の着工を巡る議論が進展せず、2027年の東京―名古屋間の開業がいよいよ危ぶまれてきました。JR東海と静岡県の間に存在する溝はかなり深く、先が見通せないというのが実情ではないかと思います。

 いわゆる長崎新幹線と呼ばれる九州新幹線西九州ルートの整備も混迷しています。整備手法に折り合いが付かないのです。

 博多から長崎までの間のうち、既に九州新幹線の鹿児島ルートとして開業済みの博多―新鳥栖間と、22年度の開業に向けて施設整備が進む武雄温泉―長崎間とはフル規格です。

 ところが、新鳥栖―武雄温泉間については、佐賀県はフル規格での整備を望んでいません。新幹線のメリットを十分に生かせるような路線整備が実現するか否かは、不透明になっています。

 では、整備計画が整っていれば、あとは簡単なのか。そんなことはありません。工事の実施が決まっていても、現場の条件などによって、施設の構築が容易に進まない事例は枚挙にいとまがありません。限られた工期での施工が迫られるなど、難条件を克服しなければならないケースは、多いのです。

 日経コンストラクション20年7月13日号の特集「離れ業で架ける」は、現在、金沢―敦賀間で整備が進む北陸新幹線のうち、特に困難な条件を抱えた橋の建設現場に注目しています。

日経コンストラクション2020年7月13日号特集「離れ業で架ける」
日経コンストラクション2020年7月13日号特集「離れ業で架ける」
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 例えば、福井駅の北東約1kmの地点に位置する福井開発高架橋。高架化を進めるえちぜん鉄道の仮線が地上を走っている区間では、新幹線の高架橋工事を、その仮線を撤去するまで始められず、工期に厳しい制約がありました。