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 2020年9月28日号の日経コンストラクションでは、「使えない設計」と題する特集を用意しました。設計ミスを犯した大手建設コンサルタントが、発注者となって橋を架け替えるという、異例の事態をスクープしています。

日経コンストラクション2020年9月28日号の特集「使えない設計」(資料:日経コンストラクション)
日経コンストラクション2020年9月28日号の特集「使えない設計」(資料:日経コンストラクション)
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 設計ミスをしてしまったのは大手建設コンサルタント会社のパシフィックコンサルタンツです。岩手県陸前高田市内の漁港に設ける津波避難施設に架ける橋で、設計を誤ってしまいました。

 その結果、一度架設した橋の上部構造を撤去して、再構築する羽目になったのですが、その手続きが異例でした。一般的には、発注者である自治体などが設計変更を行った後、増額分を建設コンサルタント会社に請求するものです。それが、設計を誤ったパシフィックコンサルタンツ自らが、是正工事を発注したのです。

 公共インフラの工事を進める現場に、民間の建設コンサルタント会社の名前を発注者名として記した工事看板を見たのは、私にとって初めての経験でした(現地で見たわけではなく、担当デスクが撮影した写真で見ただけですが)。

 事のてん末の詳細は記事をご覧になっていただきたいのですが、ミスの内容自体は決して複雑な話ではありません。概略設計と詳細設計を合わせた委託金額は2000万円程度の仕事です。

 一方、ミスの代償で迫られたやり直しの工事費は、数億円に上ると見込まれます。保険などで費用を工面するのかもしれませんが、小さな設計ミスが大きな代償となったことは間違いありません。

 特集記事では、この他に2つの橋を取材。設計ミスや調査不足が後に大きな影響をもたらしてしまった事例を取材しています。「使えない設計」がどうして発生してしまったのか──。建設コンサルタント会社や設計を担当する技術者に必要な取り組みを、改めて考えてみる材料になるのではないかと思います。