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 東日本高速道路会社は2021年1月15日、大深度地下に施工した東京外かく環状道路(外環道)のトンネル直上に、新たな空洞が見つかったと発表しました。同社は有識者委員会の中間報告を基に、トンネル工事と東京都調布市内で発生した道路陥没事故との因果関係を20年12月18日に認めたばかりですが、今回の空洞も、それを裏付ける根拠の1つとなりそうです。

 この外環道のトンネル工事と陥没事故に関する記事は、日経コンストラクションだけでなく、弊社のデジタル媒体「日経クロステック」でも、大変多くの方にご覧いただきました。

 読者のみなさまの関心の高さを踏まえ、21年1月25日号の日経コンストラクションでは急きょ、特別リポート「外環道工事陥没事故」を用意しました。20年10月に東京都調布市内で発生した住宅地の道路陥没事故と、その直下で進めていた外環道のトンネル工事との因果関係について、有識者委員会の中間報告などを基に詳報しています。

日経コンストラクション2021年1月25日号の特別リポート「外環道工事陥没事故」(資料:日経コンストラクション)
日経コンストラクション2021年1月25日号の特別リポート「外環道工事陥没事故」(資料:日経コンストラクション)
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 東日本高速がトンネル工事と道路陥没の因果関係を認める前から、日経コンストラクションでは事故の推定要因を取材。同社の記者会見前に校了した20年12月28日号でも速報しています。今回の特別リポートの記事では、東日本高速が明らかにした詳細な施工データや地盤調査のデータなどを基に、事故の推定メカニズムを詳しく解説しました。

 私は前職でシールドトンネルの工事に関与していたことがあります。そこで現場の技術者の方々によく教えていただいたのが、シールド機の掘進を中断するリスクでした。今回の外環道のトンネル工事において、住民対応で夜間に掘進を止めて施工していたという話を聞いた際に、昔聞いた掘進停止のリスクが真っ先に頭をよぎりました。

 推定された事故原因の基本的なメカニズムは、過去に聞いた技術者の話と重なっていました。その詳細は誌面に譲りますが、現場における判断や分析、経験の蓄積などの重みを改めて感じました。シールドトンネルの施工技術は、機械化・自動化が進む“優等生”ですが、その根底にある技術や施工管理の急所は、これからの世代にもしっかりと伝えていかなければなりません。我々が事故を詳しく報じる意味もそこにあると考えています。