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 最大手の建設会社が施工した護岸復旧工事で、施工不良箇所が約1万3000に及ぶ──。日経コンストラクション2021年2月8日号では、そんな衝撃的な事件をトピックス「大林組が施工不良1万カ所超の失態」として速報しました。

日経コンストラクション2021年2月8日号のトピックス「大林組が施工不良1万カ所超の失態」(資料:日経コンストラクション)
日経コンストラクション2021年2月8日号のトピックス「大林組が施工不良1万カ所超の失態」(資料:日経コンストラクション)
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 2019年10月に襲来した東日本台風で被害を受けた千曲川護岸の復旧工事で、法覆ブロックの段差や目開き、胴込めコンクリートの充填不足などが多発していたのです。段差や目開き、目地の施工不良は9123カ所、胴込めコンクリートの充填不足は4348カ所に達していました。

 ミスの数量が大量であった点は非常に大きな驚きでしたが、それ以上に気になったことがありました。大量のミスが発覚するきっかけが、発注者の監督員からの指摘であったという点です。

 ブロックの段差や目開き、胴込めコンクリートの充填不足が大量に見つかる前に、大林組は法留め基礎の一部を施工していなかったミスを確認。発注者である国土交通省北陸地方整備局へ、2020年10月に報告しています。見つかったミスをきちんと報告した点は適切な対応といえるでしょう。

 ただ、目開きや段差といった不具合については、北陸地整の監督員が法留め基礎の未施工箇所を確認するために現地へ出向いた際に、監督員からの指摘で発覚したというのです。前述した数量の多さに加え、例えば目開きは最大50mmに達していたといいますから、現場を巡回しているはずの施工者であれば、施工精度に問題がある点は指摘を受ける前に気づけるのではないかと感じました。

 通常、1つでも大きなミスが見つかれば、そのミスだけでなく、他にも問題がないかを注意深く確認するものでしょう。恐らく、国交省の監督員もそうした感覚を持っていたのだと思います。施工者側が最初に大きなミスを見つけていたにもかかわらず、発注者からの指摘で別の施工ミスが大量に発覚するというてん末には、疑問が残ります。