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 例えば、法覆コンクリートブロック工の出来形では、段階確認を6回予定していました。ところが、大林組が6回分の段階確認を1回にまとめて依頼しようとしたために、北陸地整は法覆工事の段階確認を1回しか予定していませんでした。法覆ブロックにおける施工不良は、国交省の監督員が他のミスについて確認に行った際に見つけたのです。施工計画書の予定に沿っていれば、ミスの量を減らせた可能性があります。

 防災工事や災害復旧工事など緊急性の高い仕事が増えており、限られた人員で大量の業務をこなさなければならないという難しさはあるでしょう。しかし、だからといって検査を安易に減らしたり、雑に済ませたりしてもいいとは誰も言わないはずです。検査はインフラの品質を保つための重要な生命線。見かけだけの存在では困るのです。実効性を持つ検査や確認を実現していくための知恵を絞らなければなりません。

 解決策の1つとなりそうなのが、テクノロジーの力です。既に、テクノロジーの力を借りながら、品質と効率を両立するような解決策を探る動きが出てきています。特集ではこうした取り組みを紹介。これからの検査の在り方を見つめ直す材料にしてほしいと考えています。

 テクノロジーが業務を変えるという視点では、機械化施工に焦点を当てた記事も用意しました。連載記事の最新技術トレンドみら☆どぼの「苦渋作業を減らすドボクマシン」です。山岳トンネルの覆工コンクリートをプレキャスト化して機械で施工する技術や、耐震補強に伴うコンクリート削孔の作業を自動化する機械などを紹介しました。

日経コンストラクション2021年4月12日号の連載みら☆どぼ「苦渋作業を減らすドボクマシン」(資料:日経コンストラクション)
日経コンストラクション2021年4月12日号の連載みら☆どぼ「苦渋作業を減らすドボクマシン」(資料:日経コンストラクション)
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 単に苦渋作業を減らすだけでなく、作業時間を短縮したり施工品質を高めたりする効果も生まれています。施工を革新している機械化の動向を把握していただける記事です。

 最後にもう1本、4月12日号で注目していただきたい記事が、トピックス「アルカリ環境で防砂シートが劣化」です。21年2月22日号で報じた那覇空港における陥没事故の続報で、陥没を招いた防砂シートの劣化が起こった理由を追いかけました。

 まだ、原因解明の途中ですが、長期間の耐久性が求められる建設材料の扱いについて改めて認識させられることがあります。材料に起因するトラブルを後から検証できるような備えの重要性です。

 これからのインフラ整備では新材料を利用する機会が増えてくるでしょう。長期耐久性については最初から確実に分かることばかりではありません。何かトラブルがあった場合に、再検証できるような準備をしっかりと整えておくことが大切だと記事から実感していただければと思います。