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 2021年5月7日に緊急事態宣言の延長と対象拡大が決まりました。ゴールデンウイークをステイホームで過ごされた方は多いかと思いますが、まだしばらくは新型コロナウイルスによる社会の混乱が続きます。この混乱下で深刻さを増しつつあるのが、建設実務者のメンタルヘルスの問題です。

 建設の仕事では、工事現場でのテレワークの推進は容易ではないものの、設計や計画など比較的導入しやすい業務もあります。日経コンストラクションが大手の建設コンサルタント会社を対象にアンケートを実施したところ、21年2月の出社率が6割未満となっている会社は半数に達していました。

 テレワークの進展に伴って、通勤時間を別のことに活用できるようになった、満員電車のストレスから解放されたという肯定的な意見は少なくないでしょう。一方で、テレワークの増加に伴って、心身に問題を抱える人が増えているという新たな課題が発生しています。

 日経コンストクション21年5月10日号の特集「『メンタル』が危ない」では、独自の読者調査や企業調査などを基に、建設産業界で起こっているメンタルヘルスの問題を探りました。

 前述のテレワークに関しては、テレワークの導入を経験した建設実務者の半数がテレワークによるマイナスの影響を訴えています。業務の効率が落ちたり質が落ちたりしたという声が5割前後に及んだだけでなく、「元気がなくなった」という深刻な問題も生じていました。

 大手企業に対してテレワークの影響などを尋ねてみると、苦手な上司との対面が減って「助かった」と感じる若手が出ている半面、これが人材育成面では必ずしもプラスに作用していないという実情も浮かび上がってきました。建設の仕事は1人で完結する業務が限られています。コミュニケーションから逃げていると十分な指導を受けられなくなって、技術者としての成長が難しくなるというわけです。