全1620文字
PR

歩行者を交通事故で死なせない道路に

 材料の工夫でハードルを越えた事例もあります。栃木県日光市内に架かる乳ノ木橋で用いた新しい増し厚補強です。従来の鉄筋を、格子状に加工した鉄板に置き換えて、増し厚時の補強材の厚さを約3割薄くできる技術を採用しました。

 現場での配筋作業がなくなるうえに、コンクリートの使用量も減らせます。空間に制約があるインフラの補強では、有効な対策となります。

 特集ではこの他にも、様々な制約を乗り越える新しいリニューアル技術を集めました。ご一読いただければと思います。

 21年6月に小学生がトラックにはねられて死傷した千葉県八街市内の道路で、速度規制などの措置が講じられました。こうした生活道路での安全対策については、道路の速度規制といったソフト面だけでなく、ハード面でも新たな対策が必要です。

 日経コンストラクション8月23日号のトピックス「歩行者が死なない道を増やせ」では、死亡事故の減少スピードが遅い生活道路における安全対策に着目。これからの広がりが期待される生活道路の新しい改修方法についてリポートしました。

 生活道路の安全対策では、データを重視した取り組みが加速しています。ETC2.0データを分析して通過速度などを把握。生活道路を走り抜ける車の速度情報などに基づいて、道路における車両の速度抑制対策の必要性を判断します。そして、必要と判断された箇所では、速度制限というソフト対策だけでなく、道路を部分的に狭くしたり、ハンプと呼ぶ小さな山を設けたりするハード対策も講じるのです。

 歩行者が巻き込まれる事故が多い生活道路の安全対策は、喫緊の課題で社会の関心も高い分野です。21年3月に政府がまとめた第11次交通安全基本計画でも、子どもが日常的に集団で移動する道路などの安全確保が求められています。

 身近な道路整備もデータ活用や新しいハードの導入など大きく変化し始めています。トピックス記事を通じて、その動向を把握していただければ幸いです。

 8月23日号では、「技術士一直線2021」で、21年度の技術士第二次試験の筆記試験について、出題傾向を速報しています。今後の口頭試験に向けた情報の整理や22年度の受験対策に役立てていただければと思います。