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 例年、日経コンストラクションでは2月前半に発行する号で、資格をテーマにした特集を掲載しています。資格を扱った特集は、読者の方の反響がとても大きいのです。建設関係の仕事では、資格が不可欠なケースが少なくないことが大きく影響しているのでしょう。2022年2月14日号では「本当に役立つ資格、今どきの取得指導」と題する特集記事を用意しました。

 この時期になると、建設に関連した多くの資格で次年度の試験スケジュールが決まってきます。そこで特集では、各資格試験の予定なども、「資格ガイド」としてまとめました。自身や部下の方のスキルアップを図るために、22年度の試験に挑戦したり、挑戦させたりすることを考える材料になるはずです。

 特集では日経クロステックの読者である建設実務者の方へのアンケートを実施。資格の保有状況の他、実務や昇進・昇級などに役立ったか否かなどを尋ねています。

 常識的に考えれば、建設会社では技術士、建設コンサルタント会社であれば1級土木施工管理技士の資格が、それぞれ業務に必要となる機会は少ないはずです。しかし、建設会社に勤める技術士保有者の4割強、建設コンサルタント会社に勤める1級土木施工管理技士保有者の4割弱が、それぞれ実務に資格が役立ったと回答しています。

 これだけの割合で役立ったと感じる技術者が存在するということは、工事現場での監理技術者や設計業務での管理技術者を担うためという理由以外にも、仕事で資格が役立ったと実感できる場面があったと考えるのが自然です。

 大学の勉強や資格の勉強は実務では役に立たないという意見を耳にする機会は少なくありません。確かに、資格試験などで学んだ内容には、日常的な業務に直結しない内容もあるでしょう。

 ただ、特に若い世代の技術者にとっては、資格試験に向けて学ぶ過程で、技術の基本を整理できるだけでなく、自らの仕事を客観的に分かりやすく説明する鍛錬の場が得られます。建設系の資格には、技術的な経験などを問うて記述させる試験が多いからです。

 この部分の勉強は、技術者のスキルアップに寄与する度合いが特に高いと思います。説明する力は十分な理解を伴わなければ身につかないからです。資格取得を単に業務に必要な「苦行」と捉えるのではなく、自らの力量を見つめ直す機会として上手に使う方が賢いでしょう。