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 「日経コンストラクションは大手の取り組みや巨大な現場しか取り上げない」──。記者時代に、読者からこう皮肉られることが少なくありませんでした。決してそんなことはないのですが・・・。

 地方で活躍する建設関係者に役に立つ情報もしっかりと届けているつもりでしたが、華やかな現場や技術が目立つため、どうしてもそちらの印象が記憶に残るのでしょう。

 そんな読者に朗報です。日経コンストラクション6月号は、地方企業にも参考になる情報を満載しました。特集「建設DX、注目政策一気見せ」はその1つです。

 2022年度に動き出したICT(情報通信技術)政策について、取り上げています。特に押さえておきたいのが、小規模現場向けのICT施工要領の公表でしょう。

 各地で開かれている技術展示会などに行くと分かりますが、市販のスマートフォンなどを使った出来形管理の技術を展示しているブースは、いつも活況を呈しています。会場でスマホを使った測量デモを見て、「こんなに簡単にできるの?」と感嘆する人ばかりだとか。現場へのICT導入のハードルは確実に下がりつつあります。

 他にもBIM/CIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング/コンストラクション・インフォメーション・モデリング)、ICT活用による監理技術者の兼任、建設業許可と経営事項審査の申請電子化など、中小企業が建設DX(デジタルトランスフォーメーション)を進める上で、押さえておくべき最新情報を網羅しました。

 2022年度の技術士第二次試験が7月に控えており、試験対策としても参考になるので、ぜひご一読ください。