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物言う株主が建設業界に与える影響

 7月号では橋本剛志記者が手掛けたファーストニュースも必見です。任天堂創業家の資産運用会社「ヤマウチ・ナンバーテン・ファミリー・オフィス」(YFO)による東洋建設の買収を巡る動きについて図解を基に分かりやすく説明しています。

 M&A(合併・買収)やTOB(株式公開買い付け)、買収防衛、物言う株主など、建設系の読者にとってはあまりなじみのない言葉が並び、「取っ付きにくい」と感じる人がいるかもしれません。ただ今後の建設業界の動向を知る上で、欠かせない記事であることは間違いないでしょう。

 というのも、東洋建設の件に限らず、建設業界では「物言う株主」による介入が相次いでいます。M&Aキャピタルパートナーズの前川勇慈企業情報第7部長は、その理由を次のように述べています。「国土強靱(きょうじん)化の国家予算や再生可能エネルギーの市場が期待されるにもかかわらず、建設業界には市場から見て株価が割安な企業が多い」

 M&Aの成約件数は年々増加基調にあります。土木と近い建築や電気といった「隣接業種」との合併や、全く別の地域にある企業との提携など、あらゆるM&Aが展開されています。「物言う株主」の台頭はそういったM&Aをさらに多様化、増加させる起爆剤になるかもしれません。

 最後に、7月号では高速道路の大規模更新事業の現在地についても取り上げました。特集「高速道路大改造 いざ本丸へ」です。進化した技術を基に現場を切り盛りする事例はこれからの更新事業などに生かせるヒントが詰まっています。ぜひご覧いただければ幸いです。