編集長が語る日経コンストラクションの見どころ
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またコンクリートの特集?はい、今熱い技術ですから
あれ、またコンクリートの特集なの? 日経コンストラクション2021年7月12日号の特集タイトル「シン・コンクリート」をご覧になった読者の方は、そう思われたかもしれません。何せ本誌では6月14日号で「脱炭素コンクリートが地球を救う」と題する特集を掲載したばかりですから。
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IT嫌いでも逃げられない時代に
日経コンストラクションではこれまでに、工事や設計・調査、維持管理の現場におけるIT(情報技術)活用について、特集記事を継続的に掲載してきました。以前はITという言葉だけで拒否反応を示す人も少なからず存在しましたが、今ではIT抜きでは現場が成り立たなくなっています。
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「コンクリートから人へ」の“悪夢”を振り払う新技術
「コンクリートから人へ」。2009年に政権交代を果たした民主党が掲げたスローガンを覚えている人は多いでしょう。マニフェストに「コンクリートではなく、人間を大事にする政治に」と記し、建設を中心とした公共事業をコンクリートに置き換えて短絡的に人と対立させた構図は、国民に強烈な印象を与えました。
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データ活用なくして防災の成功なし
巨大津波を考慮した防潮堤、記録的な大雨に対応したダムや堤防の整備、液状化に備えた地盤改良──。豪雨や大規模地震などに備えたハード整備が、国土強靱化の名の下で着実に進んでいます。加えて、災害時の行動を計画するタイムラインや暴風雨時の鉄道の計画運休といった、ソフト面での取り組みも拡大してきました。
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建設産業界で深刻化する心の問題
2021年5月7日に緊急事態宣言の延長と対象拡大が決まりました。ゴールデンウイークをステイホームで過ごされた方は多いかと思いますが、まだしばらくは新型コロナウイルスによる社会の混乱が続きます。この混乱下で深刻さを増しつつあるのが、建設実務者のメンタルヘルスの問題です。
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デジタルとグリーンに懸ける建設コンサル
日経コンストラクションでは、例年4月後半に発行する号で、建設コンサルタント会社の決算をテーマに据えた特集を掲載しています。2021年も4月26日号で「増収・増益でもDXとグリーンで貪欲に」と題する記事を用意しました。20年内に期末を迎えた決算について、各社のデータを集約するなどしています。
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罪深い形だけの検査・確認制度
巨額の投資を伴うインフラの建設事業では、ミスが発生した場合の手直しに要するコストも大きくなります。供用開始が遅れることによって、効果の発現が遅れてしまうという問題も出てきます。
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“嫌われ者”の会計検査院を味方に
「会計検査の対応でそれどころではないんですよ」。取材を申し込んだ際に、すぐに対応できない理由として何度も聞いた言葉です。「今度、会計検査が入るんですよ」。こう言って暗い顔をする自治体の担当者の顔を見たことは、1度や2度ではありません。
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これからの復興はもっと難しくなる
東日本大震災から10年がたとうとする2021年2月13日、福島県沖で大きな地震が発生しました。福島県内や宮城県内の一部で最大震度6強を記録する地震でした。東日本大震災をもたらした地震の余震です。10年を経てもこれだけの揺れをもたらすという事実は、脅威としか言いようがありません。
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橋の損傷事例が問うインフラ管理者の責任
日経コンストラクション2021年2月22日号で、まず注目していただきたいのが、特集「橋梁点検の罠」です。点検後に劣化が進展したり、点検で十分に劣化を見抜けなかったりして、橋に重大な損傷が生じた事例を掘り下げました。
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大林組が犯した大量の施工不良に残る疑問
最大手の建設会社が施工した護岸復旧工事で、施工不良箇所が約1万3000に及ぶ――。日経コンストラクション2021年2月8日号では、そんな衝撃的な事件をトピックス「大林組が施工不良1万カ所超の失態」として速報しました。
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外環道工事と陥没事故を豊富なデータで解説した記事を緊急掲載
東日本高速道路会社は2021年1月15日、大深度地下に施工した東京外かく環状道路(外環道)のトンネル直上に、新たな空洞が見つかったと発表しました。同社は有識者委員会の中間報告を基に、トンネル工事と東京都調布市内で発生した道路陥没事故との因果関係を20年12月18日に認めたばかりですが、今回の空洞も…
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2021年の土木界はこれで把握
例年と異なり、2021年はあまりすっきりとしないスタートとなりました。新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからず、様々な活動に対する自粛や抑制が続きそうな状況です。
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外環道工事での陥没や米軍タンク跡地での重機転落などを深掘り
私が日経BPに入社した頃、日経コンストラクションの年末の特集は例年、建設現場で発生した事故を扱った内容と決まっていました。ただ、私が編集長に就任する前には、既に年末号で事故の特集を掲載するという慣例はなくなっていました。企画がマンネリ化したり、大きな事故を中心に、即座に取り上げることを重視したりし…
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新幹線建設の命運握る建設発生土
工事が順調に進むか否かの決め手は、排出される建設発生土の処理になりそうだ──。JR東海がリニア中央新幹線の建設に向けて公表した環境影響評価準備書などの資料を見て、真っ先にこう感じました。当時執筆した短い記事でも、土の処理がカギになる旨を記しています。今から7年ほど前の話です。
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斜面とトンネルを通じて土の難しさを痛感
長年にわたってなくならない災害があります。土砂災害です。特に近年は西日本豪雨や東日本台風といった甚大な被害をもたらした気象が頻発。大規模災害の頻度は増加傾向にあります。
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磨かれた土木の“ローテク”で技術の原点に
日経コンストラクション2020年11月9日号では、近年、紹介する機会が減っていた昔ながらの土木技術を紹介しました。もちろん、最新の改良技術です。目からうろこが落ちる技術が見つかると思います。
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伝承テックで現場のノウハウ残せ
昭和生まれだからかもしれませんが、私は「技」という言葉に引かれます。実際に目の前で伝統職人が工芸品などを加工している姿を見ると、うっとりとしてしまうのです。
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こんな若手がいる限り、建設産業の未来は明るい
私が新入社員として配属された頃(日経BPではありませんが)、まだ1人1台のPCはあてがわれていませんでした。1人1台のノート型PCが配布されたのは、入社して1年ほどたってから。それまでは職場での文書作成にはワープロが使われていました。
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設計を誤った建設コンサルタントが発注者となって橋を架け替え
2020年9月28日号の日経コンストラクションでは、「使えない設計」と題する特集を用意しました。設計ミスを犯した大手建設コンサルタントが、発注者となって橋を架け替えるという、異例の事態をスクープしています。