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 「建築単価ウオッチ」では、2021年1月調査の結果をお伝えする。鉄骨造(S造)事務所は、コストの動きを示す指数が前月比で1.1%上昇した。躯体(くたい)の資材・工事費の大幅上昇が影響している。S造の主要資材であるH形鋼の取引価格は、主要3都市とも大幅に値上がりした。価格の変動は7カ月ぶりである。

 東京圏(東京、神奈川、千葉、埼玉)における2021年1月の鉄骨造(S造)事務所のプライス推計値は、中央値に相当する中位(50%値)が1m2当たり40万5000円(最新2カ月分は暫定値)で前月比1.0%の上昇、前年同月比は3.3%の上昇であった。

 同様に、四分位で高位(75%値)のプライス推計値は48万1000円で前月比1.1%の上昇、前年同月比は7.7%の下落であった。低位(25%値)は33万9000円で前月比1.2%の上昇、前年同月比は3.4%の上昇であった。

 プライス推計値のグラフの元データを公開する。プライス推計値は、最新2カ月分が暫定値であるため、前月調査時や翌月調査時で値が変わっている場合がある。前月比や前年同月比を確認する際に、参考にしてほしい。(元データは、PDFがこちら、CSVがこちらから入手できる)

横軸は調査時期。金額は消費税を除く。各位置の値は特定の事例が示す単価であり、各調査年の事例とは同一ではないので留意されたい(資料:建設物価調査会)
横軸は調査時期。金額は消費税を除く。各位置の値は特定の事例が示す単価であり、各調査年の事例とは同一ではないので留意されたい(資料:建設物価調査会)
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データの見方

建設物価調査会の建物価格情報サービス「JBCI」のデータから作成した総工事費単価のプライス推計値。東京圏(東京、神奈川、千葉、埼玉)で建設された事務所(一般事務所、貸事務所、複合事務所)について過去の契約価格データをベースに、建築費指数(工事原価)を用いて補正したもの。実際の契約価格は、建物の規模や施工条件、設計内容、グレードなど様々な要因によって変動するので、四分位で中央値に相当する中位(50%値)の他、高位(75%値)と低位(25%値)のデータを提供する。契約価格の調査は年単位で行われ、翌年4月に集計結果が得られることから、19年調査の結果を20年4月から21年3月まで推計の基本情報として用いている。3月と4月ではベースとなる母集団が異なるため、値の差が大きくなる場合がある。最新2カ月分のプライス推計値は暫定値だ。

■建物価格情報サービス「JBCI」の詳細は建設物価調査会「JBCI」で確認できる。