「建築単価ウオッチ」は、2021年3月調査の結果をお伝えする。鉄筋コンクリート造(RC造)高齢者福祉施設は、コストの動向を示す指数が前月比で0.3%上昇した。3カ月連続の上昇となる。躯体(くたい)や電気の資材・工事費の上昇が影響している。3カ月おきに調査しているRC造の躯体工事に関連する主要工事の取引価格も報告する。3工種とも変動がなかったが、今後、下落の可能性がある。
東京圏(東京、神奈川、千葉、埼玉)における2021年3月の鉄筋コンクリート造(RC造)の高齢者福祉施設のプライス推計値は、中央値に相当する中位(50%値)が1m2当たり32万4000円(最新3カ月分は暫定値)で前月比0.3%の上昇、前年同月比は1.6%の上昇であった。
同様に、四分位で高位(75%値)のプライス推計値は33万7000円で前月比0.3%の上昇、前年同月比は0.9%の上昇であった。低位(25%値)は27万2000円で前月比0.4%の上昇、前年同月比は3.2%の下落であった。
プライス推計値のグラフの元データを公開する。プライス推計値は、最新3カ月分が暫定値であるため、前月調査時や翌月調査時で値が変わっている場合がある。前月比や前年同月比を確認する際に、参考にしてほしい。(元データは、PDFがこちら、CSVがこちらから入手できる)
建設物価調査会の建物価格情報サービス「JBCI」のデータから作成した総工事費単価のプライス推計値。東京圏(東京、神奈川、千葉、埼玉)で建設された高齢者福祉施設(老人保健施設、老人ホーム、グループホーム)について過去の契約価格データをベースに、建築費指数(工事原価)を用いて補正したもの。実際の契約価格は、建物の規模や施工条件、設計内容、グレードなど様々な要因によって変動するので、四分位で中央値に相当する中位(50%値)の他、高位(75%値)と低位(25%値)のデータを提供する。契約価格の調査は年単位で行われ、翌年4月に集計結果が得られることから、19年調査の結果を20年4月から21年3月まで推計の基本情報として用いている。3月と4月ではベースとなる母集団が異なるため、値の差が大きくなる場合がある。最新3カ月分のプライス推計値は暫定値だ。
■建物価格情報サービス「JBCI」の詳細は建設物価調査会「JBCI」で確認できる。