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設計の考え方にも工夫を

意匠設計者とはうまく連携を図ることができていますか。

 最近、意匠設計者の意識が高まり、早い段階で一緒に取り組めるようになってきました。設備設計者としては、意匠設計者の考えが省エネ性にどう影響し、それにどう対応するか、定量的に説明すべきです。BIM(ビム)(ビルディング・インフォメーション・モデルリング)や各種シミュレーションツールを活用し、コミュニケーションを取ることが重要です。

 早い段階からBIMを活用した意匠・構造・設備の融合を図る狙いから、当社では17年10月に各部門から技術者を集め、新たにインテグレイテッドデザイン部を立ち上げました。

今後、より高い水準の省エネ性能 を目指す場合、何が必要ですか。

 設備設計の考え方にも多様性を持たせるべきです。省エネ適判がスタートし、 建築物の環境性能を取り巻く状況は変わっています。BIMやシミュレーションツールも進歩しました。例えば空調設備の容量設定で従来型の画一的なルールに必ずしもこだわる必要はありません。ZEB(ゼブ)(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の普及を目指す時代に、これまでのように設備容量に余裕を見込みすぎず、もっと工夫して、コンパクトな設計に挑戦することも必要だと思います。

雲南市役所新庁舎(島根県雲南市)では、意匠・構造・設備の融合によるZEB庁舎の実現に取り組んだ(出所:日本設計)
雲南市役所新庁舎(島根県雲南市)では、意匠・構造・設備の融合によるZEB庁舎の実現に取り組んだ(出所:日本設計)
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雲南市役所新庁舎(出所:日本設計)
雲南市役所新庁舎(出所:日本設計)
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雲南市役所新庁舎。「Nearly ZEB(ニアリーゼブ)」を実現するには建築自体の形態面での配慮・工夫とエネルギー源の脱二酸化炭素化(CO2)が不可欠。形態面ではボイド空間による採光や通風、ルーバーや庇などで外皮熱負荷を低減するなどの配慮や工夫を施し、脱CO2化では井水や木質チップを活用した放射空調とデシカント空調を採用した(出所:日本設計)
雲南市役所新庁舎。「Nearly ZEB(ニアリーゼブ)」を実現するには建築自体の形態面での配慮・工夫とエネルギー源の脱二酸化炭素化(CO2)が不可欠。形態面ではボイド空間による採光や通風、ルーバーや庇などで外皮熱負荷を低減するなどの配慮や工夫を施し、脱CO2化では井水や木質チップを活用した放射空調とデシカント空調を採用した(出所:日本設計)
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