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申請前に見積もりまで完了

 建設に当たっては環境省の「ZEB実現に向けた先進的省エネルギー建築物実証事業」の補助金を得ていますね。どういう流れで作業を進めたのでしょうか。

伊藤 18年9月末に着工し、19年2月20日に補助金事業の工事を完成させました。外構など全ての工事を終えたのは19年4月です。入居時期が決まっていたので、設計を含めた工程は厳しかったですね。

河辺 4月にZEB補助事業の公募があり、5月に申請して6月に採択されます。入居期限は定まっていますが、採択が決まらないと工事に着手できません。建築主へのヒアリングに始まる設計作業を本格化したのは18年3月末以降です。設計と設計内容の省エネ検証をしながら、補助金の準備を並行して進めました。補助金の申請時に金額を書くので、事前に見積もりを取る必要があります。通常より前倒しで全体の図面を作成することが求められます。

 もっとも補助金の申請時には本当に採択を受けられるかどうかわかりません。仮に補助金を得られなかった場合には、太陽光発電パネルを減らすなどして当初目指したZEBのランクを落とすことも想定していました。

 建物は南北に長い形状で、東西面に大きな開口を設けています。熱負荷の面では不利ですが、使ってみていかがですか。

伊藤 計画時には、日射を遮蔽するため一部の窓の外に植栽のカーテンや外付けブラインドを設置することも考えましたが、コストが高かったのであきらめました。

 ただ、夏に朝日が差し込む時間は1、2時間程度です。意外に熱が蓄積せず、それほど影響を感じません。最上階の3階にある事務室でも、社員から夏暑いというクレームは出ていません。

左からザイソウハウスの伊藤卓哉取締役専務執行役員、材惣DMBホールディングスの鈴木興太郎常務取締役・事業統括本部副本部長、加藤設計の河辺浩幸第1設計室室長(写真:守山 久子)
左からザイソウハウスの伊藤卓哉取締役専務執行役員、材惣DMBホールディングスの鈴木興太郎常務取締役・事業統括本部副本部長、加藤設計の河辺浩幸第1設計室室長(写真:守山 久子)
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