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高性能製品の普及が後押し

今回の改正では、住宅トップランナー制度の対象も広げました。

 住宅トップランナー制度は09年、年間150戸以上を建てている大手の建売住宅事業者を対象に始まりました。20年度以降は、供給する住宅の一次エネルギー消費量の平均値を「省エネ基準から15%以上削減すること」を求めています。

 今回はさらに注文戸建てと賃貸アパートを対象に加えました。注文戸建ては年間300戸以上を供給する事業者が対象で、24年度に省エネ基準から25%削減(当面は20%削減)することが目標となります。賃貸アパートは年間1000戸以上の事業者が対象で、24年度に10%削減が目標です。

「注文戸建て」と「賃貸アパート」もトップランナー制度の対象に
「注文戸建て」と「賃貸アパート」もトップランナー制度の対象に
住宅トップランナー制度では一定数以上の住戸を供給する事業者に対し、全戸の平均値で省エネ基準以上の性能を満たすことを求める。2009年から始まった「建売戸建て」に加えて、19年11月から「注文戸建て」と「賃貸アパート」も対象になった。注文戸建ての削減目標は最も大きく25%(当面は20%)となっている(資料:国土交通省「改正建築物省エネ法の各措置の内容とポイント」を基に作成)
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 住宅トップランナー制度は、住宅の省エネ性能の向上に大きな役割を果たしてきました。規制対象となるパワービルダーや大手の住宅メーカーがつくる建売住宅で、採用する窓や断熱の性能が高まったのです。多くの新築現場で高断熱の窓が使われるようになれば、一般に流通する製品の性能も高まります。その影響は、新築だけでなく改修にも反映されます。その意味でトップランナー制度やZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の普及が市場を変える効果は大きいと期待しています。