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 戸建て住宅など延べ面積300m2未満の小規模建築物の設計に際し、建築士に省エネ性能の説明義務を課す新制度が、2021年4月に始まる予定だ。建築家の伊礼智氏は、省エネ性能の説明が建て主との重要なコミュニケーションになると意気込む。

伊礼 智|Satoshi Irei 1959年沖縄県生まれ、82年琉球大学理工学部建設工学科計画研究室卒業、85年東京芸術大学美術学部建築科大学院修了。96年に伊礼智設計室開設。2016年から東京芸大美術学部建築科非常勤講師。『伊礼智の住宅設計作法』など著作多数(写真 : 大久保 惠造)
伊礼 智|Satoshi Irei 1959年沖縄県生まれ、82年琉球大学理工学部建設工学科計画研究室卒業、85年東京芸術大学美術学部建築科大学院修了。96年に伊礼智設計室開設。2016年から東京芸大美術学部建築科非常勤講師。『伊礼智の住宅設計作法』など著作多数(写真 : 大久保 惠造)
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省エネ性能の確保にどのように取り組んでいますか。

 私は2014年頃から戸建て住宅の高断熱・高気密化にチャレンジを始めて、18年頃からは断熱など省エネ性能の説明も積極的にするようになりました。

 設計に入る前、建て主との最初の顔合わせとか、敷地を見に行った時とかに、基本的な設計要件を聞きますよね。外壁はどんな感じが好きですか、とか。それと同じように、冷暖房はどうしたいですか、ということも尋ねています。例えばエアコンだけでいいか、あるいは太陽光や太陽熱を活用するかなどですね。

 空調システムを決めるには断熱性能も決めなくてはいけない。そこで、そうした着手段階から、こちら側の提案としての目標性能などを話すようにしています。