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負担を減らす工夫が必要

これまでは経験的に性能を確保してきたとしても、2021年4月からは書面を用いて説明することが義務付けられる予定です。そのことは、すでに広く工務店の方たちに認知されていますか。また、具体的にはどのように説明すればいいでしょうか。最後にその辺りをお聞かせください。

池田 改正建築物省エネ法の講習会を開くと満員になるほど、多くの工務店が説明義務のことを気にしています。今後も、積極的に国から通知を出すなどして、周知していく必要があると思います。

足立 ただ、JBN会員ではない中小工務店などには、まだ説明義務について知らないところもあると思います。周知を徹底するためには、木材メーカーなどの流通ルートを生かすことが有効ではないでしょうか。そのあたりから情報を流さないといつまでたっても周知されず、工事契約の段階に至って建て主などから指摘されて初めて知るという事態も招きかねません。

鶴崎 義務付けと言われても、どのタイミングでどう説明すればいいのかがまだ見えません。設計契約が別口ならばその中に含めることもあり得るでしょう。しかし、当社のように設計を含めた工事請負契約の場合、契約前に省エネ計算をして説明する必要があるとしたら、その費用も先に負担してもらうことになります。建て主からすれば、契約もしていない段階で費用を払うことになるし、最終的な工事契約も当社と結ばなければいけなくなるのではないか、という不安も招きかねません。こちらとしても、制度の詳細が見えた段階で、対応方法をきちんと検討する必要があると考えています。

池田 限られた人数で経営している工務店にとっては、業務負担が大きく増える問題もあります。その意味でも、今後、工務店をサポートする体制づくりが重要だと思います。工務店が本来の業務に注力できるように、省エネ計算のようなアウトソーシング業務を手掛ける会社などの充実です。

 実際、JBN会員工務店の6~7割はそうした会社のサポートを受けて省エネ基準の適合や、長期優良住宅の認定取得などに取り組んでいるので、確実にその需要はあります。そうしたサポート体制を整えて、工務店とのネットワークを構築していくことが、説明義務をはじめとするさまざまな制度の普及や政策の成果につながっていくと思います。

確かに、サポート体制づくりは、工務店の将来につながっていきそうですね。今日は貴重なご意見をありがとうございました。