全1816文字
PR

 2019年5月に公布された改正建築物省エネ法のうち、小規模な建築物を対象とした内容で最大のポイントとなるのは「説明義務」だ。300m2未満の小規模な住宅・非住宅建築物では、省エネ基準に適合しているかどうかの確認が求められる。

 設計の委託を受けた際、建築士は設計する建物が省エネルギー基準に適合しているかどうかを建築主に説明しなければならない──。「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(建築物省エネ法)」の改正で、延べ面積300m2未満の小規模な住宅・非住宅建築物を対象に説明義務が登場する。2021年4月(予定)の法施行日以降に設計を委託された建物が説明義務の対象となる。

 「住宅などの小規模建築物の場合、建物に詳しくない建築主が少なくない。建築士から説明を受けて省エネの大切さに気付いてもらうことが、省エネ性能向上への第一歩になる」。説明義務を導入する狙いについて、国土交通省住宅局の上野翔平課長補佐はそう話す。

 このほか小規模建築物に関する法改正では、建築主などが負う努力義務のレベルが上がった。改正前の努力目標は「省エネ性能の向上」だったが、改正後は「省エネ基準への適合」になった。住宅では、建売戸建ての事業者だけを対象にしていた住宅トップランナー制度が、注文戸建てや賃貸アパートの事業者にも広がった。

小規模建築物に説明義務を新設
小規模建築物に説明義務を新設
(資料 : 国土交通省の資料を基に作成)
[画像のクリックで拡大表示]