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契約書に「適判」を明記

省エネ適判に対するクライアントの理解は進んでいますか。

 建築確認申請すら知らないクライアントが普通にいるくらいなので、省エネ適判が分かる人はほとんどいません。建築確認と同様、省エネ適判も費用が発生するだけに、事前にしっかり説明して理解を得ておく必要があります。そのプロジェクトは省エネ適判の対象物件であることを、設計契約書に明記し、さらに重要事項説明書にも加えることが効果的だと思います。あとになって「知らない、聞いていない」という行き違いを避けることができます。

 私の場合、省エネや構造の適判物件であることや、それに伴う費用などをあらかじめ説明し、各申請機関がウェブサイトなどで公開している料金表も、変更が発生する場合のものも含め、設計契約書に添付します。

 「情報の非対称性」という言葉があるように、建築のプロならば「知っていて当たり前」のことが、素人であるクライアントからすると「知らなくて当然」となることが多くあります。例えば、構造適判対象の建物で、構造壁の位置を10㎝ずらすのは大変です。しかし、一般の人にとっては何が大変なのかが分からない。適判のやり直しが必要になり、費用も時間もかかるということは理解しづらいでしょう。設計者はその辺りをどう説明するのか。下手に専門用語を使いすぎると、かえって相手の不安や不信感をかき立ててしまう恐れがあります。情報の非対称性を解消するためにも、自分たちにとっては当たり前の専門用語を、誰でも理解できるような言葉や表現にかみ砕いて、説明することが必要だと思います。